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トイレが怖くて一人で行かれない男の子のお話
トイレは普通の部屋と違って何か出てきそうで怖い。一人で行きたくないのにみんな忙しそうでついてきてもらえない。トイレが漏れそうな男の子は…。
勇気を出すと、成長できるんだと学べるお話。
トイレが怖くてたまらない太郎君は一人でトイレに行けません。どしてトイレが怖いかと言うと、トイレは狭いし部屋の様子と何か違う。トイレの蓋をあけたらなにか飛び出してくるかもしれないし、座ったら後ろの窓からなにか出てくるかもしれない。
もしかしたら、トイレを済ませて出ようとしても、扉が開かなくなっているかもしれない。開いたとしても、外は違う世界になっているかもしれない。どこもかしこもなにもかも怖くって、どうしても一人で行けないのです。
おむつを卒業した頃、一人でトイレに入ろうとしたらガタガタ音が聞こえた気がして怖くて入れませんでした。 「やっぱりトイレ怖い!」それからずっと、トイレに行きたくてもギリギリまで我慢してしまうので、ちょびっとおもらしをしていたのです。
少しお兄さんになった太郎君は「ちょびっとおもらしするくらいなら平気平気。おばけに会っちゃうより全然いいもんね!」そういいながら、相変わらず汚れたパンツを履き替えていました。
ある日、いつものように「トイレついてきて」と言うと、ママは電話中。パパはパソコンでお仕事の人とお話中。「どうしよう…もう漏れちゃうよ…」もじもじ待っていましたが、いつまでたっても誰もついてきてくれません。
太郎君はもじもじしながら「もう限界だ!!」と叫びました。ちょびっとおもらしはよくても、赤ちゃんの時のようなおもらしはしたくなかったので、何かあったときのために、おもちゃのバットを持って、しょうがなく一人でトイレへ向かいました。
「こわいよう…」扉の前まで来ると、「やっぱりやめようかな…」とまた、もじもじもじもじ。おばけと戦うのはこわい…でも、思いっきりおもらしをするのもいやだ…と悩んだ結果、思い切って扉を開けました。
「よし、誰もいない!」太郎君はトイレの隅々まで確認しましたが、何もいません。その時、ガタガタと音が聞こえました。昔聞こえて怖くなってしまったあの音です。バットを構えてキョロキョロすると
窓が風でガタガタしているだけでした。「なんだ、よかった…」バットをおろしてトイレを済ませると、開かないかもと思っていた扉はもちろん開くし、違う世界になっているかもと思った扉の向こうは、いつもの家の中でした。
太郎君は、なんだか心が軽くなったような気がしました。「トイレにオバケなんていないんだ!」 ちょっと心がお兄さんになった太郎君は、それからは一人でトイレに行けるようになり、ちょびっとおもらしをすることもなくなりましたとさ。
おしまい