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コロナウイルス感染症のせいで入学式が出来なかった女の子。
いろいろ頑張って我慢したおかげで未来を楽しく過ごし…
今だからこそ最初の感染防止の気持ちを振り返りたいですね。
これは少し先の「未来」のお話。 ももかちゃんは小学校3年生。「みてみて、1年生可愛いね!入学式いいな。」「私達の時はちゃんとやってないもんね…」ももかちゃんが1年生の時は大変な病気が流行ってしまい、卒業式も入学式も、運動会も音楽会もすべて中止でした。
「家から出ちゃいけなくてさ、友達とも会えないし、公園も行けないし、おばあちゃん家にも行けなくて、我慢ばっかりでほんとつまらなかったなあ。」「そういえば、その頃から毎日マスクしているよね。」
「そうだね。今だと当たり前だけど、前は面倒くさいし、息もしづらいから外しちゃって、よくママに怒られた気がする。」ももかちゃんはその頃のことを思い出していました。
友達と別れたももかちゃん、「だたいま〜!」と家に帰るとマスクを外して、まず洗面所に向かいます。砂時計で時間を計りながら、しっかり30秒ゴシゴシゴシゴシと手を洗うのです。
「そういえば、こんなにきちんと手を洗うようになったのも、あの大変なときからだなあ…。それまではちゃちゃっと洗っておしまいにしちゃってたっけ。」うがいを済ませて部屋に入りました。
それからママに、今日みた1年生の話をしました。「私も入学式とか運動会とかやりたかったな」羨ましく思ったももかちゃんは、ちょっとふてくされながらおやつのケーキを口に入れました。
「そうだね。でも、あの時無理にやっていたら、病気にかかっていたかもしれないし、そのせいで自分じゃない誰かが苦しい思いをしていたかもしれないよ?」ママは真剣な顔で言いました。ももかちゃんは友達のお父さんが病気になって大変な思いをしていたことを思い出しました。
「たくさん我慢したおかげで、みんな今、元気でいられるのかあ。」「そうよ。ほんのちょっとの間我慢したから、今楽しくすごせるのよ。」ももかちゃんはその時はとってもつまらない毎日で、なんて大変なんだと思っていたけれど、今思うとけっこうあっという間だったなと感じました。
「マスクをして、しっかり手を洗うようになったおかげで、風邪を引くこともすくなくなったでしょ?」「そういえば、そうだね」ももかちゃんはほとんど熱を出すことがなくなったことに気が付きました。
おばあちゃんにもパソコンを開けば会えるようになったし、パパもママも家でお仕事をするようになったので、家族の時間も増えたし、我慢もしたけど、いいこともたくさんあったなと気が付きました。
次の日、デパートにでかけたももかちゃんは、お店に入る時に手の消毒をしました。「そういえば、これもあの時からだ!」手に消毒液を揉み込むと、ワクワクしながらエスカレーターに乗り込み、可愛いマスクを買いに行きました。
おしまい