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驚かすことが大好きなオバケ達のお話。
毎年人間を驚かす事ができる肝試しが大好きなおばけ達ですが、今年はお祭りも肝試しも中止。そこでそれぞれ脅かせそうな場所に向かいますが…
来年がとっても楽しみになるオバケの物語。
夏の熱い夜。おばけたちはお寺に集まっていました。「今年は病気が流行って人が集まれないから、お祭りも肝試しも中止だってよ」「なんてこった!一年に一度の楽しみなのに!」おばけたちは人間を驚かす肝試しがなくなってしまって大慌てです。
「どうやって驚かそうか」「お祭りも花火大会もないからなあ」「今年は街へ出て、こちらから驚かしに行こうじゃないか」「そりゃいい考えだ」早速おばけたちはそれぞれの場所へ向かいました。
まずはろくろっ首。「トイレから顔をだしたらびっくりするんじゃないかしら。」長い首をウニョウニョさせながら学校のトイレに隠れました。でも待てども待てどもだれもきません。
「みんなどうしたのかしら」ろくろっくびが外へ出てみると、【なつやすみ】の張り紙が見えました。学校が夏休みだったので誰も来なかったのです。ろくろっ首はしょんぼりお寺へ帰りました。
そのころ傘オバケはコンビニの傘立てにこっそり混じっていました。「雨が降ってきて、オイラを間違えて掴んだ人はびっくりするぞお!」驚いた顔を想像しながら楽しみに待ちました。
でも待てども待てどもちっとも雨が降りません。暑い暑い真夏、雲ひとつない青空が毎日続くと「雨が降ってくれないと困るんだよお」傘オバケはシクシク泣きながらお寺へ帰りました。
そのころ海坊主は海の中で驚かすのを待っていました。「子供が泳いできたら、びっくりさせてやろう」楽しみに待っていましたが、待てども待てども誰も来ません。今年は海の家がないので、誰も泳ぎに来なかったのです。それに気がついた海坊主はがっかりしょんぼりお寺へ帰りました。
そのころ提灯お化けは、普通の提灯に混じって飾られるのを待っていました。「飾ってある提灯がオバケだってわかったら、みんな驚くだろうな」楽しみで楽しみで、ニヤニヤしていましたが、待てども待てども飾られることはありません。
「そうだ!今年はお祭りも花火大会もないんだった…」提灯おばけは気がついて、急いでお寺へ帰りました。すると、どのおばけも失敗したのかしょんぼりした様子でお寺に集まっています。その様子をこっそり見ていたお坊さん。
小坊主達を集めると、おばけたちのために簡単なきもだめしを始めました。おばけたちは嬉しそうに木の陰に隠れて思い切り驚かします。「ぎゃー!」と叫んで逃げる小坊主を見て、おばけたちは気分すっきりいい気持ち。
「やっぱり驚かすって最高!」たった三人の小坊主を驚かしただけでも、とても楽しい気持ちになったおばけたち。「来年こそ、たくさんの人を驚かせるぞ!」世の中から病気がなくなることを願いながら、みんなで怖い顔の修行をはじめましたとさ。
おしまい