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むしば菌はどんな口の中が好きなのかがわかるお話
ちゃんと歯磨きしている子供の口の中にいるむしば菌は歯の裏側に住んでいました。ある日歯磨き指導をうけた子供が…
隅々まで歯磨きをすることの大切さが学べるお話です。
オイラはむし歯きん。子供の口の中は甘いお菓子が沢山あって、むし歯を作り放題らしい。だからオイラは男の子の口に住むことにした。でもこの子の口の中は不思議だ。食べ物が残っていないし、オイラの仲間が一人もいない。
口の中をうろちょろしていると、突然歯ブラシが突撃してきた。なるほど、男の子は食べたあとにきちんと歯を磨いているのか。せっかく住み着いた口の中だけど、オイラ達むし歯きんは綺麗な歯には住んでいられない。
だからオイラは勇気を出して話しかけてみた。「あの…オイラ口の中に住もうと思っているむし歯きんなんですけど…。」「食べ物がないと…むし歯が作れないから…歯を磨かないでくれませんか…?」
すると、男の子は鏡にうつるオイラを見ながら冷たくこう言った。「いやだよ。虫歯になったら痛いもん。」そしてまた、男の子は歯ブラシを口に突っ込んで、ゴシゴシゴシゴシ磨きだしたんだ。
オイラは追い出されないように、歯ブラシから逃げ回った。そしたら一箇所、歯ブラシがこない場所を見つけたんだ。歯の裏側。これはいい。たくさん食べ物も残っているじゃないか。
男の子は毎日しっかり歯を磨いているけど、歯の裏側は磨かないんだ。オイラはしめしめとむし歯を作ることにした。これくらいの食べ物があればオイラは生きていけるし、立派なむし歯も作れるぞ。
オイラがせっせとむし歯を作りはじめると、少しずつ歯が黒くなってきた。なんて気持ちがいいんだ!もっともっと歯を黒くしたい!そう思っていたある日…
男の子が通う幼稚園で歯磨きの練習があった。オイラはいつもの通り、歯の裏側に隠れてその様子を見ていた。「ここにいれば安心安心」歯ブラシが口に入ってきたけど、オイラは何も心配していなかった。
でも「歯の裏側もしっかり磨きましょう」先生の言葉が聞こえたかと思ったら、歯ブラシがニュッとオイラの前に現れた。「しまった!」そう思ったときにはもう遅かった。
あっという間にオイラは歯ブラシのフッサフサの毛の中にいた。「もう少しでむし歯が完成するはずだったのに…」男の子がガラガラペッとすると、オイラはついに口から追い出されてしまった。
口から出たオイラの姿をみた男の子は、まだ口の中にいたのか!と、びっくりした顔でオイラを見つめた。「これからはもっとしっかり歯磨きする!」とちょっとプンプンしながらオイラを水でジャーっと流した。
子供はみんな、歯を磨かないのかと思っていたのにそうじゃなかった。オイラは水に流されながら、次は絶対歯磨きがへたっぴな子供の口に住もうと決めた。
おしまい