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【絵本 読み聞かせ】夏休み一番の思い出は?高齢者の免許返納促進にもなる夏休みの物語/おじいちゃんのラストハンドル

2020-8-23

あらすじ…

男の子の夏休みの思い出のお話。

ある日学校で、夏休みの思い出の作文を読み始めた男の子。男の子の一番の思い出はおじいちゃんが免許を返納した日のことでした。

高齢者の免許返納の促進にもなるお話、家族みんなで楽しめます。

おじいちゃんのラストハンドル

今日は作文発表の日。みんなそれぞれ旅行に行った話やプールに行った話、夏休みの楽しかった思い出を発表していきます。名前を呼ばれたよし君は、席を立って作文を手に持つと、大きな声で堂々と読み始めました。 「おじいちゃんのラストハンドル…

「僕が夏休みで一番楽しかったことは、おじいちゃんとのドライブです。70歳になったおじいちゃんは、もう年だからと、免許を返すことにしました。」よし君はおじいちゃんが免許を返した日のことを思い出しながら作文を読みました。

おじいちゃんの誕生日の夜。みんなでケーキを食べていると、「もう70歳か。ワシも年をとった。」おじいちゃんはしみじみそう言うと、「事故なんか起こしてしまっては大変だ。車の運転はもう辞めるよ。」少し寂しそうに笑いました。

よし君は「そんなこと言って、明日も車に乗って、大好きな釣りに出かけるんでしょ」と笑って返しました。どこに行くにも車に乗って行くおじいちゃんのその言葉を、家族のみんなもあまり信じていませんでした。

次の朝「ドライブに行こう」おじいちゃんはよし君とお父さんを誘いました。「ほらみろ。おじいちゃんやっぱり車の運転やめないじゃん。」よし君は心の中でそう思いながら車に乗り込みました。

車に乗ったおいじちゃんは、なんだかいつもよりもごきげんです。鼻歌を歌いながら、昔の思い出を話し出しました。「免許は18歳でとったんじゃ。その頃は運転が楽しくてな、よく友達とドライブしたなあ。」

「それからおばあちゃんと結婚して、お父さんが生まれて、車で色々な所に旅行に行ったんじゃ。夜中に熱が出て、車で病院も探したっけ。よし君が生まれてからは、夜中に泣くと、よくじーちゃんが車に乗せてドライブしたんじゃぞ。」

おじいちゃんの車の思い出をたくさん聞いたよし君は「おじいちゃんは車が大好きなんだね」と笑いました。おじいちゃんは「最近はよし君と朝はやく釣りに行くのが楽しみじゃったな。」なんだか少し寂しそうに言いうと、車が止まりました。

「ほれ、着いたぞ」おじいちゃんに言われて車から降りると、そこは免許センターでした。「車は楽しく乗らないとな。よし君との楽しいドライブは、じーちゃんの車の、最後の思い出じゃ!」そう言っておじいちゃんは、またご機嫌に免許を返す手続きをしました。

よし君は作文を読みながら、元気なおじいちゃんが、誰かのために大好きな車に乗らないと決めたことを誇りに思いました。そんなおじいちゃんを見て、よし君には夢ができました。よし君はその夢を作文の最後に一段と大きな声で読み上げました。

「僕はそんなおじいちゃんを見て、大きくなったらバスやタクシーを走らせて、車に乗らなくても、免許がなくてもお年寄りが幸せに暮らせる街をつくりたいと思いました。」よし君が読み終わると、クラス中に大きな拍手が響き渡りました。

おしまい

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