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失敗しても諦めずにおねしょを克服しようとする男の子のお話。
おねしょをしてしまう男の子はある日「僕を履いてみて」とヒーローパンツに話しかけられます。ヒーローを信じてパンツを履いた男の子ですがやっぱりおねしょをしてしまいます。すると男の子は…
諦めずにいることが大切なんですね。
お日様の暖かさで目が覚めた太郎君。だけど全然気持ちよくありません。「またおねしょしちゃった…」毎日毎日、今度こそおねしょをしないように、寝る前に神様にお願いをしているのですが、やっぱりしてしまいます。
ある日、お風呂から上がった太郎君が着替えのパンツを選ぼうと引き出しを開けると、「ボクを履いてみてよ」どこからか声が聞こえてきました。でもあたりを見回しても誰もいません。どうやら声は引き出しの中から聞こえてくるようです。
「おねしょが嫌ならボクを履いてみてよ。何てったってボク、ヒーローなんだから」よく見ると、パンツにかかれているヒーローが手をふっています。太郎君は目をぱちくりさせました。「パンツが喋った…」
太郎君は少し怯えて言いますが、ヒーローはお構いなしです。「ボクはヒーローだから、君をおねしょから守ってあげる!」そう言うとヒーローパンツは引き出しから飛び出してきました。太郎君は何が何だかわかりません。でもおねしょをしなくていいならすごいと思いました。
勢いに負けた太郎君はヒーローのパンツを履くことにしました。「よろしくね。」「まかせとけ!おねしょ怪人なんてやっつけちゃうよ!」太郎君は「おねしょなおるかな」ちょっぴりドキドキしながら眠りにつきました。
朝になって目が冷めると、布団はやっぱり濡れていました。「なんだよ、守ってくれるって言ったのに!」太郎君はまたおねしょをしたのがくやしくて、泣き出してしまいました。
「おねしょと戦ったんだけど…負けちゃったんだ。」ヒーローはしょんぼりしてあやまりましたが「おねしょに勝ちたかったのに…」太郎君は悔しそうに言うと、それからもうヒーローのパンツを履きませんでした。
しばらくしたある日、引き出しをあけると「ボク、修行して強くなったんだ!今度こそおねしょに勝ってみせるよ!一緒に頑張ろう!」ヒーローが言いました。でも一度がっかりした太郎君はヒーローを信じません。「そんな事言って、また負けちゃうかもよ?」
「そしたら次の日また頑張るさ!」「ずっとずっと負けちゃうかもよ?」「毎日少しずつ強くなってるんだ。今日が駄目でも明日が駄目でも、いつか絶対に勝つよ!」ヒーローの必死な姿に、太郎君はもう一度ヒーローのパンツを履いてみることにしました。
その日の夜、太郎君は夢を見ていました。ヒーローと一緒におねしょ怪人を倒す夢です。襲ってくる怪人に何度倒されてもあきらめずに立ち向かった太郎君達は、みごと怪人をやっつけました。
お日様の暖かさで目が覚めた太たろうくん。急いで布団を触りました。「ボク勝ったよ!」布団は濡れていません。もちろんパンツも濡れていません。「やったね!」太郎君とヒーローは目を合わせてガッツポーズです。
太郎君は毎日ヒーローのパンツを履いて寝ることにしました。おねしょ怪人は強いので、たまに負けてしまっておねしょをする日もあるけれど、太郎君とヒーローは諦めないで毎日毎日戦い続けました。
パンツが小さくなって履けなくなった頃、太郎君はおねしょをしなくなっていました。「ありがとう、ヒーロー。」少しお兄さんになった太郎君は、一緒に戦ってくれたヒーローにお礼を言うと、引き出しの奥にそっとパンツをしまいました。
おしまい