チャンネル登録:
お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
いやいや期の子供の心に住む怪獣のお話。
怪獣やだもんは時々とても暴れだしたくなります。やだもんが暴れている時は心の持ち主の男の子も「やだやだ」と暴れていました。暴れたくないやだもんはどうしたら暴れないでいられるか調べ始めると…
心を沈める方法がわかるお話です。
小さな怪獣「やだもん」は、子供の心の中に住んでいました。子供の心の中は、いつもポカポカいい天気。暖かくて気持ちよくって、きれいなお花がたくさん咲いている、とても素敵な場所でした。
でもやだもんは、時々とても暴れだしたい気持になってしまいます。「ガオー!」と大きな声で暴れだすと、心の持ち主の男の子は「やだやだ!やだもん!」と、やだもんと同じように暴れてしまいます。
すると、やだもんが住んでいる心の中は、お日様が雲に隠れてしまい、ピューピューと冷たい風が吹き始め、雪が降り始めます。綺麗なお花は枯れてしまい、暗く冷たい世界に変わってしまうのでした。
でも、暗く冷たい世界に変わると「だいじょうぶ」「いいこだね」誰かの優しい声が聞こえてきます。それは男の子を大切に思う誰かの声でした。その声が聞こえると、心の中の雲がなくなり、またお日様がポカポカ暖かく、綺麗なお花が咲き始めます。
「だいじょうぶ」「いいこだね」の声が聞こえると、暴れたい気持がなくなるやだもんは、このやさしい声が大好きでした。暴れるのをやめたやだもんは「ごめんなさい」とお日様やお花にあやまりました。
ある日お日様の声が聞こえてきました。「やだもんにもう暴れてほしくないな。」お花達の声も聞こえてきました。「私たちは、雪がとても苦手なの。」暴れるのを止められないやだもんは、とても悲しい気持ちになりました。
「暴れないでいるには、どうしたらいいのだろう」やだもんが何日も何日も考えていると、また暴れたくなってしまいました。「暴れたくないのに暴れちゃうんだ!どうしたら良いのかわからないんだ!」やだもんが叫ぶと雲にかくれながらお日様が言いました。
「やだもん、深呼吸だよ!」冷たい雪が降り始めると、お花たちが言いました。「やだもん、あの優しい声を思い出して!」やだもんは暴れたい気持でウズウズしながら大きく大きく深呼吸してみました。すると少しだけ気持が落ち着きました。
それからやだもんはあの優しい声を思い出しました。「だいじょうぶ」「いいこだね」やだもんの心がすーっと静かになって、暴れたい気持が我慢できました。すると心の持ち主の男の子も「やだ…けど我慢する!」やだやだを我慢することができました。
暴れるのを我慢出来るようになったやだもんは、それからはずっと、お日様がポカポカ気持ちのいい、綺麗なお花が咲いている素敵な心の中で過ごしました。たまに暴れだしたいときもあるけれど、
そんなときは決まって「すごいね」「お兄ちゃんになったね」とあの優しい声が聞こえてきます。やだもんはそう言われると嬉しくて、やっぱり我慢できるのでした。
おしまい