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おつかいに憧れていた女の子のお話。
初めてのおつかいに出かける女の子は仲良しのウサギの人形を持って出かけました。ウサギの人形は、信号渡れるかな?欲しいもの買えるかな?とハラハラドキドキしましたが…
女の子の成長や二人の絆、どんなことに気をつければいいか学べます。
「いってきま~す!」ちこちゃんはミミの手を握ると、元気に家を出発しました。 ミミはちこちゃんが生まれたときからずっと一緒にいるうさぎのぬいぐるみ。2人はとっても仲良しなのです。
「ママはおなかに赤ちゃんがいて、大変なのよ」玄関で靴を履きながらちこちゃんがミミに言いました。ちこちゃんは今日、お腹の大きなママに変わって、ミミと一緒に初めて近くのパン屋さんにおつかいに行くことになったのです。
ちこちゃんは、同じくらいのお友達がおつかいに行くテレビ番組を見て憧れていたので、初めてのおつかいが楽しくて仕方ありません。お財布が入った袋をブンブン回しながらスキップしていると、「お財布落っこちちゃうよぉ」ミミは心配そうに言いました。
信号までやってきたちこちゃん。信号がチカチカしています。ミミはちこちゃんが無理やり渡るんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、ちこちゃんはちゃんと止まって青になるのを待ちました。「ちこちゃん、おねえさんになったね!」ミミは驚きました。
パン屋さんは、信号を渡り、郵便局を曲がったらすぐのところです。ちこちゃんは待ちきれなくてルンルンスキップをしました。ミミの体がブランブラン揺れます。「チコちゃん楽しそう!」ミミが嬉しそうにちこちゃんを見つめました。
パン屋さんに入ると、「あらちこちゃん、今日は一人?」パン屋のおばさんが話しかけてきました。ちこちゃんは、さっきまでの元気が嘘のようにもじもじと小さく頷きます。「ちこちゃん、恥ずかしいのかな?頑張れ!」ミミは小さな声で言いました。
「なにが欲しい?」おばさんがパンを乗せるトレーを持ってきて言いました。「ちゃんとほしいパン言えるかな…」ミミは心配そうにちこちゃんを見つめますが、ちこちゃんは下を向いて顔を赤くして、だまったままです。
おばさんは「これにする?」「これはどー?」アンパンやクリームパンを指さしますが、ちこちゃんは首をふります。「困ったわねぇ…」おばさんは首をかしげてしまいました。「がんばれ!」ミミはちこちゃんの手をギュッと握りました。
ちこちゃんもミミの手をギュッと握ると小さな小さな声で言いました。「んと…朝に食べるの…四角いパン…。」「食パンかな?」おばさんの言葉にちこちゃんは小さく嬉しそうに頷きました。
「良かった!ちゃんとほしいパン買えるね!」ミミはほっとしました。ちこちゃんも「よかった、ほしいパン買えた」うつむきながら小さな声でミミに言いました。お金を渡してパンを袋に入れてもらうと、ちこちゃんもミミも一安心。
「ありがとうございました!」最後にはとびきりの笑顔で、大きな声で挨拶ができました。ちこちゃんは嬉しくてミミをブンブン回しながらスキップ。「うわぁぁ、落っこちるよぉぉ」ミミは目をぐるぐる回しながら、必死にちこちゃんの手を握ります。するとその時です。
角を曲がってきた自転車とちこちゃんがぶつかりそうになりました。びっくりして尻もちを付いてしまったちこちゃん。「大丈夫!?泣いちゃうかな!?」ミミが心配そうにしていると「よく見て気をつけなくっちゃ」ちこちゃんは泣きそうなのをぐっと我慢した様子で立ち上がり、今度はゆっくり家に向かって歩き出しました。
「ただいまー!」元気に家に帰ってきたちこちゃん。「ありがとう、えらかったね」ママに褒められて嬉しそうです。ちこちゃんはミミをぎゅーっと抱きしめると「おつかい、大成功だね!」嬉しそうに笑うので、「よく頑張ったね!」ミミもぎゅーっとちこちゃんに抱きつきました。
おしまい