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トイレが嫌いな女の子のお話。
「トイレやだ!」いつも言っているのにはちゃんと理由がありました。ある日思い切ってどうして嫌なのかみんなに話してみると…
子供の気持ちがわかるトイレトレーニング絵本。
おとちゃんはトイレに行くのが大っきらい。「トイレやだ!」いつも口をとがらせならそう言って、ちょびっとおもらしをしてしまいます。でもおとちゃん、トイレを嫌いな理由がちゃんとありました。
「お部屋にトイレあったらいいのに…」おとちゃんは思います。だって、みんながいる部屋を出たらひとりぼっちなんですもの。トイレからみんなの楽しそうな声を聞くと、おとちゃんは寂しくなってしまうのです。
「トイレもっとちっちゃいといいのに…」おとちゃんは思います。ママが一人で登って座れるように、小さな踏み台をおいてくれたけど、座ると足がぶらぶらして怖いのです。
「トイレの扉なくなっちゃえばいいのに…」おとちゃんは思います。だって、扉を閉めるとなんだか狭くて自分だけ違う世界にいる気がするのです。扉を開けてしてみたら、「お行儀悪いから閉めようね」ってママに閉められてしまいました。
「トイレに窓なんていらないよ…」おとちゃんは思います。用を足している間に、真っ暗な窓からオバケががおーと出てきそうで怖いのです。おとちゃんはオバケがこの世で一番苦手でした。
「トイレなんて壊れて消えちゃえばいいのに…」おとちゃんは思います。だって、トイレに行っている間に見ているアニメが終わっちゃったら最悪だと、おとちゃんはいつも思うのです。
でもパパにもママにも保育園の先生にも、おじいちゃんにもおばあちゃんにも「トイレに行こうね」って言われてしまいます。ある日おとちゃんはどうしてトイレが嫌いなのかみんなに話してみました。
その日の夜、おとちゃんはTVを見ていると、トイレに行きたくてムズムズしてきました。すると「寂しくないように、一緒に行こうか」ママもパパもおじいちゃんもおばあちゃんもトイレについてきてくれました。
トイレに入ると真っ暗な窓にはおとちゃんが描いた原っぱの絵が貼られていました。「窓怖くない!」おとちゃんがトイレに座ると踏み台が2つに増えていました。「どっちも足つくからぶらぶらしなくてこわくなーい!」
扉を閉めると、閉めた扉にたくさん写真が貼られていました。どの写真も、おとちゃんが楽しかった思い出の写真でした。「ここ、楽しかった!」「ここ、また行きたい!」おとちゃんはそんなことを考えながらあっという間に用を済ませると、トイレから笑顔で出てきました。
すると「頑張ったご褒美ね」ママがお花のシールをくれました。おとちゃんはうれしくて、そのシールをトイレの中にあった原っぱの絵に貼りました。「原っぱの絵が、お花のシールで一杯になると良いね!」「うん!」
おとちゃんはその日からちょっとずつ「トイレやだ!」が減っていきました。原っぱの絵がお花のシールでいっぱいになる頃、「トイレやだ!」のおとちゃんは、一人でトイレに行ける立派なお姉さんになっていました。
おしまい