チャンネル登録:
お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
いつもお皿に残されてしまうピーマンは、自分について調べることにしました。自分が最高の野菜だと知ったピーマンは…。
好き嫌いしないで食べてみようと思えるお話。
ピーマン君は嫌われ者。「にがいから嫌ーい。」「美味しくないから嫌ーい。」子どもたちにそう言われていつもひとりぼっちでお皿に残されます。
ピーマン君はそのたびにお皿の上でぽろぽろ涙をこぼしました。「ボクはどうして苦いんだろう。どうして美味しくないんだろう。」ピーマン君は毎日悩んでいました。
ある日、またお皿に残ったピーマン君は泣いていました。「ピーマン君、なんだか元気がないのね」一緒に残ったトマトちゃんが心配そうに言いました。「ボク、みんなに嫌われてるからさ…」
ピーマン君は寂しそうに下をむくと「あら、私も結構嫌われてるのよ。それに、私はピーマン君が羨ましいわ。だって、私よりビタミンCが何倍も入ってるすごい野菜じゃない。」トマトちゃんは羨ましそうに言いました。
それを聞いたピーマン君、「トマトちゃんに羨ましいって言われるなんて…」とても嬉しい気持ちになりました。「でも…ビタミンCってなんだろう?どうしてボクがすごい野菜なんだろう?」わからなかったピーマン君は、図書館へ行って調べてみました。
たくさんの本を読むと、そこにはピーマンのいいところがたくさん書かれていました。「なになに…?風邪のバイキンをやっつける、ふむふむ。怪我が治るのを助けてくれる…うんうん。…え!?ピーマンは野菜のヒーロー!?」
ピーマン君は嫌われ者の自分がヒーローだなんて信じられません。でも、ピーマン君は本当に体にいいすごい野菜だったのです。「なになに?ボクが苦いのは…栄養の印なのか!」そう、あの苦い味は栄養がたっぷり詰まった印だったのです。
その日、またお皿に残ったピーマン君は、思い切って子供に話しかけました。「ボクが君を病気から守ってあげる!だから少しだけ食べてみて!」すると子供は「苦いからヤダよー」とイヤーな顔をしました。
「その苦いのは体にいい印なんだ!ボクを食べると病気になりにくくなるし、怪我が治るもの手伝うよ!ボクは君の体を守るヒーローになるんだ!」ピーマン君は必死にアピールしました。すると…
「なんか…ピーマンってすごいんだね!」子供の嫌がる顔が少しだけ普通に戻りました。「ちょっと苦いかもしれないけど…君を元気にするよ!」すると、子供はピーマン君をちょびっとだけかじりました。「ん~、苦いけど、なんか元気になりそう!」
でも子供は一口だけ食べるとやっぱりあとは残してしまいました。残ったピーマン君はまた、お皿の上で涙をポロポロこぼします。でもその涙は悲しい涙ではありませんでした。「初めて食べてもらえた!ボク…かじってもらえた!」嬉しくて泣いていたのです。
その日からというもの、子供はすこしずつピーマン君を食べるようになりました。子供の体に入ったピーマン君は約束した通り、一生懸命バイキンと戦って、風邪を引かないように、怪我が早く治るように、子供の体を守るヒーローになりましたとさ。
おしまい