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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
庭であおむしを見つけた男の子お話。
男の子は絵本に書かれていた食べ物を青虫にあげてみますがぜんぜん食べてくれません。毎日観察していると、だんだん青虫の元気がなくなり…
「パパみてー!なにかいるよー!」庭でなにかを見つけたえっちゃんはパパに手招きをしました。「これはね、青虫っていうちょうちょの子供だよ」パパは部屋に戻ると青虫の絵本を読んでくれました。えっちゃんは絵本を読み終わると、庭の青虫もお腹がペコペコなんじゃないかと心配になってきました。
「そうだ!」えっちゃんはおやつに出たりんごをこっそり残して、青虫にあげてみました。でも青虫はぷいっとそっぽを向いてしまいます。
「ありゃ食べない…」えっちゃんは首をかしげました。次の日は朝ごはんにでたイチゴをあげてみますがやっぱり青虫は食べてくれません。「おかしいなー。何なら食べてくれるかなー。」
えっちゃんは絵本を思い出しながら考えました。「そうか!わかったぞ!」えっちゃんは次にチョコレートを青虫にあげました。でも青虫は、またぷいっとそっぽをむいてしまいます。「ん~これも食べない…」
えっちゃんはアメをあげてみたりチーズをあげてみたりしましたが、やっぱり食べてもらえません。そのうち青虫は、だんだん元気がなくなってあまり動かなくなっていきました。
どうすればいいのかわからないえっちゃんは、元気のない青虫を見ながら庭でしくしく泣き出してしまいました。すると「大丈夫?どうした?」お父さんが心配そうに声をかけてきました。
えっちゃんは泣きながら、青虫がご飯をたべてくれないこと、元気がなくなってしまったことを話しました。するとお父さんはまた、青虫の絵本を取り出して読んでくれました。
「元気がなくなったのは、蛹になる前かもしれないよ」「でも…お庭の青虫はぜんぜんご飯食べてないんだよ?」えっちゃんは心配そうに言いました。パパは心配ないよとえっちゃんの頭をなでました。
「青虫さんがいる周りをよーく見てご覧?たくさん食べかけの葉っぱがあるの見えるかな?」「うん。」「お庭の青虫さんは葉っぱを食べてお腹いっぱいなんだ。」「そっか!じゃぁはらぺこで元気がなくなっちゃったわけじゃないんだ!」
安心したえっちゃんは毎日青虫を観察しました。するとある日、青虫は体から糸を出して蛹になりました。それからまた何日かすると、青虫はついにちょうちょの姿で蛹から顔を出しました。
「すごい!絵本とおんなじだ!」えっちゃんは急いで庭へ出ると、蛹から出たばかりのちょうちょはえっちゃんの手の上で羽を乾かし始めました。「きっと、ありがとうって言ってるんだね」パパの言葉にえっちゃんんは嬉しくなりました。
羽を乾かし終わったちょうちょは、えっちゃんの周りをぐるっと飛ぶと、ひらひらと空高く飛んでいきました。「バイバイちょうちょさん」えっちゃんは空のちょうちょに向かって背伸びをしながらたくさん手を振りました。
おしまい