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【絵本 読み聞かせ】雪の女王(ゆきのじょうおう)/「アナと雪の女王」の原作と言われているアンデルセン童話

2019-11-6

あらすじ…

悪魔の作ったやっかいな鏡のせいで、カイは人が変わってしまいます。そんな中雪の女王に出会い、カイは家に帰らなくなりました。仲良しだったゲルダはカイを心配し…。

雪の女王の元へ行ってしまったカイを、仲良しのゲルダが探す旅に出る、恐ろしくて美しい雪の世界の物語。

 

雪の女王

 

ある日悪魔は、どんなに美しいものでも歪んで見えてしまう不思議な鏡を作りました。その鏡で天使をからかってやろうと悪魔は天に登りましたが、途中でうっかり鏡を落としてしまいました。鏡は砂粒ほどの大きさになってあたり一面飛び散りました。

そのころ家の屋根の上でカイとゲルダが仲良く絵本を見ていました。すると空から落ちてきた鏡のかけらがカイの目に入ってしまいました。優しかったカイは、鏡の魔法で意地悪になってしまい、ゲルダのこともいじめるようになりました。

それから何日かして、カイは広場で白くて大きなソリに出会いました。さっそく自分の小さなそりをくくりつけて引かれるままに遊んでいると、ソリは突然すごい速さで走り出し、やがて止まりました。すると、ソリから誰かが降りてきました。

その人は目のくらむほど白く美しい、雪の女王でした。寒さと怖さにカイが震えていると「わたくしの毛皮にお入りなさい。」女王はカイを大きなソリに入らせると、自分の横にすわらせて毛皮をかけてやりました。でも毛皮の中は氷の中に入ったように冷たかったのです。

カイがまた寒がると、女王はカイのおでこにキスをしました。でもそれは氷よりもっと冷たいものでした。カイはその冷たさにこのまま死んでしまうのかと思いましたが、すぐに寒さなどすっかり気にならなくなりました。

「そうだ、ボクのソリはどこ?」カイが女王に聞くと、女王はもう一度おでこにキスをしました。するとカイはもうそれっきり、仲良しのゲルダのことも、家族のことも、もちろんソリのことも…何もかもすっかり忘れてしまいました。

カイはもう、女王を怖いと思わなくなりました。夜になると女王は、カイをつれて高く飛び上がり、森や湖や海や陸の上を夜のあいだ中飛びまわりました。昼になるとカイは女王の足もとでねむる、そんな每日を過ごしました。

その頃ゲルダは力イがいつまでも戻らないので心配になり「さがしにいこう」と旅に出ました。人にたずねまわると、カイは雪の女王と「世界の北の果て」へ行ったというので、ゲルダは北の果てをめざすことにしました。

険しい道のりを馬車で進んでいるとゲルダは山賊につかまってしまいました。カイを探していることを話すと、「雪の女王の城に、なにもかも忘れてしまった男の子がいるよ。連れて行ってあげる。」山賊の娘はゲルダの縄を切り、自分のトナカイに乗せてやりました。

雪の女王の城は激しく振る雪がそのまま壁になり、身を切るような風で窓や扉ができていました。とても広いお城はがらんとしていて、氷のようにつめたく、ぎらぎらして見えました。たのしみというものがまるでない寂しく孤独なところでした。

「あたたかい国をひとまわりして来るわ」雪の女王が城から飛んで行くと、ひとりぼっちになったカイは凍った湖で氷を積んで遊びました。冷え切った体は青さを通り越して薄黒くなっていましたが、女王のキスで寒さを感じなくなっていたカイはなんとも思いませんでした。

するとそこへ「ああ、力イ、会いたかった!」城に着いたゲルダがカイを見つけて駆け寄ってきました。「きみは、だれなの?」カイは首をかしげます。「ゲルダよ。仲良しのゲルダよ!」ゲルダの目から涙があふれて、カイのまぶたを濡らします。

するとその涙が、力イの目から悪魔の鏡のかけらを洗い落としました。「ああ、ゲルダ!僕はここでいったい何をしていたんだろう」カイはようやく魔法が解けました。友情が魔法を解いたのです。二人は女王が帰ってこないウチに、急いで雪の城から出ていきました。

ゲルダとカイを乗せたトナカイに、山賊の娘が手をふります。「もう二度と離ればなれになってはいけないよ!ゲルダほどカイを思っている子はいないよ!」カイとゲルダも娘に手を振ると、家に帰るまでずっとおたがいの手をギュッとにぎりしめていました。

 

おしまい

 

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