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むかしむかし、うんこは大根でした…。大根がうんこになるまでのお話。
遠い畑に生えていた大根はある日スーパーに並びました。美味しく食べてもらいたいと願う大根でしたが、大根嫌いな子の家へ行くことになり…。
好き嫌いせず何でも食べたくなりますね。
男の子はトイレに入るとうんこをしました。茶色くて立派なうんこ。だけどこのうんこ、昔は白くて綺麗な大根だったのです。 昔々、大根だったうんこは、遠い遠い、山が沢山見える水のきれいな田舎の畑に生えていました。
ある晴れた日、おじさんが一本一本丁寧に大根を抜きました。「やっと僕も食べてもらえるぞー!」立派に育った大根はワクワクしました。 綺麗に泥を落としてもらうと、大根は仲間と一緒にダンボールに入れられました。
てっきりおじさんに食べてもらえると思っていた大根はなんだか不安になりました。「これからどうなるんだろう…」 ダンボールに入ったままトラックに乗せられるとガタガタゴトゴトどこかへ運ばれていきました。
どのくらい遠くへ来たのでしょう。トラックが止まって大根はダンボールから出されました。 「ここはどこだろう?いろんな野菜があるぞ。」大根は仲間と一緒にスーパーに並べられました。仲間が嬉しそうにどんどん買われていきます。
「僕はどんな人が買っていくのかな」 大根がそわそわしていると「えーーー大根きらーい。」男の子の声が聞こえてきました。「美味しく作るから食べてみて」お母さんは大根を手に取るとかごに入れました。 「僕を嫌いなこのお家に行くのか…」
大根はなんだか悲しくなりました。せっかくだったら喜んで食べてほしかったのです。 男の子の家に着くと、お母さんは大根を綺麗に洗って皮をむきました。大根は包丁でザクザク切られながら「どんな料理になるんだろ…」と不安でいっぱい。
小さくなった大根は、いろんな仲間とグツグツ煮込まれ、あっという間におでんになりました。「大根嫌いなのに、ちゃんと食べてもらえるのかな…」大根が心配していると「ほら、食べてごらん」お母さんが男の子のお皿に大根を入れました。
「ぐえぇ」と言いながら男の子は大根をイヤイヤ口に運びます。喜んで食べてほしかった大根は泣きそうな気持ちでいっぱいでした。男の子は大根を恐る恐る口に入れるともぐもぐ、もぐもぐ。すると「おいしい!ママ!大根美味しいよ!!」男の子は大喜びです。
口の中で小さく小さくなっていく大根にもその声が聞こえました。「よかったー!喜んでもらえたー!」大根は喜びながら男の子の口から胃に流れていきました。
いろんな仲間と一緒に溶かされながら、大根は食べてもらえたことを思い出していました。溶けた大根は、そのまま腸に流れて揉まれながら進みます。どんどんどんどん進んでいくと、ある時ぽちゃんと水の中に落ちました。大根は立派なうんこになったのです。
真っ白だった綺麗な体は茶色く臭くなりました。でも大根はそんなこと気にしません。「美味しく食べてもらえて、僕はなんて幸せな大根だろう!」喜びいっぱいの大根は、うれしそうにジャーっとトイレに流れていきましたとさ。
おしまい