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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
ゆう君の家に妹がやってくるとママは大忙し。
初めて一人で寝ることにしましたが…。夜の部屋はなんだかいつもと違って見えます。窓の外におばけがいたら?おもちゃ箱の中におばけがいたら?
お兄ちゃんが頑張るお話です。
ある日、ゆう君の家に妹がやってきました。ちっちゃなちっちゃな妹にママはずっとつきっきり。その日の夜「僕、お兄ちゃんになったから、一人で寝る。」忙しそうなママを見て、ゆう君は初めて一人で寝ることにしました。
薄暗い部屋に一人で入ると、いつもの部屋がなんだか別の部屋みたいに広く見えます。ちょっぴり怖くなったゆう君は急いで毛布にくるまりました。
半分だけ顔を出すと部屋をじぃっと見渡してみます。すると、だんだんと窓の外に何かいるような気がしてきました。「もし外にオバケがいたらどうしよう…」
机の引き出しも気になってきました。「引き出しの中からオバケが飛び出してきたらどうしよう…」おもちゃ箱もなんだか気になります。「人形に混じってオバケが入っていたらどうしよう…」
ドアも気になってきました。「扉があいて、いっぱいオバケが入ってきたらどうしよう…」ゆう君は怖くなってぎゅっと目をつぶると、ふと、お兄ちゃんになるとわかったときに、ママが言ってくれた言葉を思い出しました。
『ゆう君のゆうは、勇気のゆう、勇敢な勇者のゆうなのよ。だからあなたはとっても強いお兄ちゃんになれると思うの。』「そうだ、僕は強いんだ。オバケにだって負けないぞ。ママと妹を守るんだ!」
ゆう君は毛布からでるとおもちゃの剣を取り出しました。剣を構えながら「えい!」とカーテンをめくります。「なんだ、何もいないじゃないか。」
次に机の引き出しをあけました。「そりゃ!」中はゆう君の書いた絵が入っているだけ。「ほら、オバケなんていない」隣のおもちゃ箱にもおばけは入っていませんでした。
「あ~よかった。」ホッとしていると扉がキィ…っとゆっくり静かに開きます…。「ぼ…ぼくは戦うぞ…」震えながらゆう君は扉に向かって剣を構えました。扉には黒い大きな影が動いています。
「僕は強いんだ!」影に向かって思い切り剣を振ると、そこには驚いた顔のママが立っていました。「ゆう君どうしたの?」びっくりしたのと安心したのでゆう君は思わずべそをかいてしまいました。
ママは、フフっと微笑むと「ゆう君は強くて立派なお兄ちゃんね。なかなか構ってあげられなくてごめんね。」ベッドに戻ったゆう君にそっと毛布をかけてくれました。
ママと手をつなぐとだんだんウトウトしてきました。そのまますぐにねむってしまったゆう君。オバケから妹を守る夢を見てるのでしょうか。時たま「えい!」と寝言を言いながら、朝までぐっすり眠りました。
おしまい