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おばけの世界で有名な昔話!?川に流れてきたのは桃じゃなくて提灯!ちょっと変わった昔話。
おばあさんおばけが川で洗濯をしていると、どんぶらこと流れてきたのは立派な提灯。家に飾ろうとすると…
むかーしむかし。おばけ島におじいさんおばけとおばあさんおばけが住んでいました。ある夜、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にフワフワ出かけていきました。
おばあさんが川へやってくると、川の向こうからどんぶらこーどんぶらこーと光る何かが流れてきました。「あれはなんじゃ?」よーく目を凝らして見てみると…それはなんとも立派な提灯でした。「なんて綺麗な提灯だこと!持って帰って家に飾りましょう。」
おばあさんは提灯を拾うと、さっそく家へと持ち帰りました。提灯を部屋の真ん中に置くと「なんて綺麗で立派なちょうちんだ。」おじいさんも提灯にうっとり。二人でじっくりじーっと眺めていると、なにやら提灯が揺れだしました。「おやおや?いったい、どうしたんだい?」
二人が首を傾げていると、突然バーン!と提灯から手足が生えました。びっくりして腰をぬかしてしまったおじいさんとおばあさん。でも手足の生えた赤ちゃん提灯がなんだかとっても可愛くて『提灯太郎(ちょうちんたろう)』と名前をつけてその子を育てることにしました。
大切に育てられた提灯太郎は、すくすくと育ち、優しくてつよい立派な提灯おばけに成長しました。 そんなある日、提灯太郎は近所のおばけ達がしょんぼりしているのを見かけると「どうしたの?」提灯太郎は心配そうに聞きました。
「最近人間達がワシらのことを驚きも怖がりもしてくれなくなってなぁ…それどころか、からかってくるんじゃ…。」おばけ達は人間が驚いたり怖がってくれないと元気がでないのです。「よーし!それならボクに任せといて!」提灯太郎はおばけが怖いことを思い知らせるために、人間島へ行くことにしました。
「あそこはあぶないところだよ…。これを持って気をつけていきなさい。」おばあさんは心配そうに、提灯太郎に火の玉団子を渡しました。「これがあれば百人力だ!」提灯太郎は二人にお礼を言うと、元気に家を出発しました。
しばらく行くと「なんて美味しそうな火の玉団子!オイラに一つちょうだいよ!」1つ目小僧が話しかけてきました。「一緒に人間を驚かしについてきてくれるならあげるよ!」提灯太郎が言うと「うん、いいよ!」一つ目小僧は美味しそうに火の玉団子を食べました。
すると「提灯太郎さん、私もきっとお役に立ちましょう。」傘おばけに声をかけられました。提灯太郎は傘おばけにも火の玉団子をあげました。するとどこからかなが~い首がニョロリと現れました。「私にもお団子ちょうだいな」ろくろっ首にもあげました。
1つ目小僧、傘おばけ、ろくろっ首を連れて、提灯太郎は人間島へ向かいました。船に乗り、荒波を超え、大雨に降られながら、雷にも耐え、ようやく人間島が見えてきました。あたりは真っ暗です。
雨がザーザー降り出したので「どこか隠れる場所を探そう」みんなは近くにあった古びた大きなお屋敷に隠れました。「もし人間が入って来たら、思いっきり驚かして怖がらせるんだよ。」提灯太郎はみんなに言って聞かせます。すると「ここで雨宿りしようぜー」人間がお屋敷に入ってきました。
提灯太郎は人間の前に転がり出ました。「ん?なんだこりゃ」人間が拾おうとした時です。バーン!と手足をだして大きな口を開けて驚かしました。「うわーおばけだー!!」人間は一目散に逃げていきます。
提灯太郎に続いて、一つ目小僧も傘おばけもろくろっ首も、みんなそれぞれ人間達を次から次へ驚かしていきました。人間島では「あそこの古びた屋敷にはとんでもなく恐ろしいおばけがいる」と噂になり、いつしか有名なおばけ屋敷となりました。
提灯太郎達の頑張りのおかげで、今ではすっかり人間がおばけを怖がるようになり、おばけ島にも平和な毎日がおとずれましたとさ。
めでたしめでたし