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だるまさんはつまずいてもぶつかっても転びません。「なんでだるまさんは転ばないの?」ある日カラスが聞いてみるとだるまさんは昔の話をしてくれます。山に住んでいただるまさんは、ある日コロコロ転がって…。
だるまさんの昔話です。
あるところに、おっちょこちょいなだるまさんがいました。つまずいてもぶつかってもころばないだるまさん。そんなだるまさんをカラスはいつも不思議そうに見ていました。「なんでだるまさんは転ばないんだろう?」
ある日カラスはだるまさんに訪ねました。「ねぇねぇだるまさん、なんでだるまさんは転ばないの?」だるまさんは驚いて転がりそうになりますが、ゆらゆら揺れて元に戻ります。それからスゥーっと深呼吸して「むかーしむかしの話じゃよ…。」懐かしそうに話し始めました。
「わしが山に住んでいた頃、ある日転んでしまってなぁ…。ほれ、わしは見ての通り手と足がないじゃろ?だから止まることができなくて、山をコロコロコロコロ下へ下へところがったんじゃ。
それからザブンと川に落っこちて、どんぶらこーどんぶらこーと流されて。魚と友だちになったり、大きな桃が流れて行くのを眺めたり、ありゃ~おもしろかったわい。
そのまま何日かどんぶらこーどんぶらこーと流されていると、大きな鳥がやってきて魚と間違えてわしをくわえて飛びたったんじゃ。
どこの森だかわからんが、わしは鳥のヒナの餌になった。でも固くて食べれなかったもんだから、そのままポイっと捨てられちまった。
落っこちて泥だらけになったわしは、森に遊びに来た子どもたちに石と間違えられてなぁ、石蹴りされながら森を抜けて、思いっきり蹴り飛ばされたんじゃ。
ぴゅーっと飛んだわしは、海にボチャリと落っこちて、ゆらゆらゆーらりきもちよ~く海に揺られていたんじゃ。泥もすっかり落ちた頃、一隻(いっせき)の大きな船が近づいてきてな、ヒョイとわしを拾っていった。
船の先っちょに飾ってもらったわしは、一緒に世界中を旅したんじゃ。でもしょっちゅう転がってしまってな。海に何回も落っこちるもんだから、転がってどこかへ行かないように、おしりをうんと重たくしてくれって頼んだんじゃ。
お尻がうんと重たくなったわしは、この通り転ばないだるまになったんじゃ。むか~しむかしの話じゃよ…。」だるまさんは懐かしそうに微笑みました。
「だるまさんのおしりって重たいから転ばないんだね!世界中を旅してきたなんてすごいや!」カラスはだるまさんに感心すると、またねと言って飛んでいきました。だるまさんは体をゆらゆらさせながら、またねとカラスにさよならしました。
おしまい