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風を引いてしまったママを元気づけたい女の子。相手を思いやる心が学べるお話です。
ある日、風邪をひいてしまったママ。まいちゃんは「うつるから」と近づくことを許してもらえません。早く元気になってもらいたいまいちゃんは、いい方法を思いつきました。ママの元気の素を箱につめ、ママに渡しますが、ママが箱を開けても空っぽです。まいちゃんが詰めた箱の中身は目には見えないママの元気の素だったのです。
まいちゃんは毎朝、ママのほっぺにキスをしてから保育園へ向かいます。キスをすると「よし!今日も元気でた!」ママはとびっきりの笑顔になりました。まいちゃんはそのママの笑顔が大好きでした。
ある日、ママが風邪をひいて寝込んでしまいました。まいちゃんは心配でたまらないのに、「うつるから近づかないように」とママにもパパにも言われてしまい、しょんぼりしながら保育園へ向かいました。
その日、保育園で折り紙の時間がありました。まいちゃんは先生にリクエストして『箱』の作り方を教えてもらいました。まだ簡単なものしか折れなかったまいちゃんには、複雑な折り方の『箱』は難しくて、何度も何度も開いてやり直しました。
一緒に折っていた友達が諦めてどこかへ行ってしまっても、まいちゃんは諦めずに『箱』を完成させました。完成した箱を大事にリュックの中にしまうと、パパが迎えにやってきました。
「これね、ママにあげたいの。」帰り道、まいちゃんはパパに『箱』を作った話をしました。「きっとママ喜ぶぞー。」パパは家に帰ると、そっとママの枕元へ『箱』を置いてあげました。
少し経つと、ママが起きてきました。「これ、まいちゃんがつくったの?上手だね。ありがとう。」ママがお礼を言うと、「箱の中、開けてみて!」まいちゃんは嬉しそうに言いました。
ママは言われた通りに箱を開けると、中身は空っぽでした。キョトンとしているママに、まいちゃんは得意げに言いました。
「この箱の中にはね、私のキスをたくさん入れておいたの!私がキスをすると、ママは元気になるでしょ?これではやく元気になれるよ!」まいちゃんは、ママが元気になるために、近づかなくてもできることを精一杯考えたのでした。
パパとママは顔を見合わせてニッコリ。「ありがとう。箱を開けたら元気になっちゃった!」ママはいつものとびっきりの笑顔を見せてくれました。まいちゃんも嬉しくて、一緒にとびっきり笑顔になりました。キスが入った箱は、ママの大切な宝物になりました。
次の日、朝起きるとママが起きていました。「ママー!」まいちゃんがママの足に抱きつくと、「まいのキスのおかげよ。本当にありがとう。」そう言ってまいちゃんの頭を撫でました。
おしまい