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おばけと友だちになったらどんなに楽しいことでしょう。たっくんは寝ないでおばけが出てくるのを待とうとします。でも、もしおばけの世界へ連れて行かれたら…?怖くなったたっくんが寝ようとしたその時…!
夜は早く寝たほうが良さそうですね。
「もう寝る時間よ。早く寝ないとおばけがきちゃう。」ママに言われて布団に入ったたっくん。「僕、今日ねない。おばけと友だちになりたいんだ。」ママはとても驚いた顔をしていますが、たっくんは本気です。
「おばけがきたら名前を聞いて、友だちになるんだ。それで一緒に幼稚園に行くの。きっとみんなビックリするよ。だって、おばけの友だちがいるなんて、幼稚園のなかで僕しかいないもん。」
「幼稚園のあとは一緒に公園に行くんだ。いつも威張って意地悪してる子がいるから、おばけと一緒に驚かせてやっつけるの。それから一緒に遊ぶ。きっとみんな面白がって一緒に遊んでくれると思うよ。」
「それから家に帰ってお風呂に入る。おばけってどうやってお風呂に入るのか知りたいんだもん。」「あとは、一緒に御飯をたべる。たべたものがスケスケで見えるのか、確かめたいんだ。あと好きな食べ物もね。」
「それから一緒にねる。あれ…おばけって寝るのかな?」ママはニコニコしたまま首をかしげました。「もし寝なかったら、おばけは朝まで何をしてるんだろう。やっぱり人間を驚かすのかな?もし友達になれなかったら、僕も驚かされておばけの世界へ連れて行かれちゃうかな。」
「もしおばけの世界に行ったら、エンマ様がいて、寝なかった僕は怒られたりするのかな。それから血の池がある地獄で、鬼に怒られながらずっと暮らすのかな。」
「そしたらもうパパにもママにもお友達にも会えなくなって…。」たっくんはだんだん怖くなってきました。「僕、今すぐに寝る!!」たっくんがぎゅっと目を瞑ると、「おやすみなさい。」ママはクスクス笑いながら、部屋を出ていきました。
それからしばらくすると「たっくん起きて!僕と友達になりたいんだろ?」枕元で声がしました。「んー…?だーれー…?」たっくんが寝ぼけながら目を開けると、そこにはニコニコ笑ったおばけがフワフワと浮かんでいました。
「僕の名前、教えようか?友だちになろうよ!」おばけがにやーっと笑うと「ママー!!おばけー!!助けてー!!」たっくんは大泣きしながら慌てて部屋を出ていきました。
おばけと友達になるのをやめたたっくん。それからは毎日ちゃんと早く寝るようになりました。
おしまい