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兄妹だけでいく夏祭り。しっかりもののお兄ちゃんと自由奔放な妹。兄妹の絆、お約束を守る意味が学べるお話。
神社の夏祭り。ママから何度も言われた約束を妹のちーちゃんはちっとも守ってくれません。頑張って妹のペースに合わせていたお兄ちゃんでしたが、ついにはぐれてしまい…。
お約束を守ることの大切さがわかります。
暑い夏の夜、家の目の前にある神社から楽しそうな盆踊りの音が聞こえてきました。「ママー!お祭り始まったよー!」小学生のはる君は、妹のちーちゃんと二人でお祭りに行くのを楽しみにしていました。
初めて二人で行くお祭り。毎日遊んでいる神社なのに、まるで初めて行くの場所のようにはしゃいでいます。「手をつなぐ!一人でどこかへ行かない!なんでもかんでも欲しがらない!」ママから何度も言われたお約束です。二人は忘れないようにつぶやきながら、手をつないで家を出ました。
外に出ると神社には提灯が飾られていて夜なのに明るくて不思議な雰囲気でした。いろんないい匂いがして、お腹も空いてきます。人もたくさんいて、いつも見ている景色とは全然違って、2人はとってもワクワクしてきました。
するとちーちゃん「ヨーヨー釣りしたい!」はる君の手を離して、入口にあるヨーヨーのお店に走っていってしまい、「ひとりで行っちゃダメだよ!」と、はる君は急いで追いかけました。
「お店全部見てから決めようよー。」ちーちゃんの手を引っ張ると「やだやだ~ヨーヨー欲しい~」ちーちゃんは口を尖らせたまま動こうとしません。「あっちにわたあめあるよ?」はる君がわたあめ屋さんを指さすと「わたあめ行くー!」ちーちゃんはまた走り出しました。
はる君が急いで後をついていくと、ちーちゃんはわたあめがフワフワ割り箸にくっついていくのを夢中で見ていました。どうしても食べるというので、はる君は一つ買ってやりました。「おいしいねー。」ちーちゃんがあんまり嬉しそうに食べるので、はる君もなんだか嬉しくなりました。
食べ終わると「りんご飴~!」と言いながらちーちゃんは近くのりんご飴屋さんへ。「迷子になるから手つないでよー!」はる君も必死に追いかけます。今度はりんご飴が食べたいとホッペを膨らますので、仕方なく買ってあげると「あまいね~。」と嬉しそうな顔。
はる君はそんなちーちゃんを見ながら自分は何を買おうか辺りを見回していました。「射的もいいし、くじもやりたい。焼きそばも食べたいなー。ね、ちーちゃん。」はる君がちーちゃんの方を振り返ると、今まで目の前にいたちーちゃんの姿がありません。
「あれ?ちーちゃん?」辺りをキョロキョロ探しますが、人がたくさんいて小さなちーちゃんを見つけることができません。「おーい!ちーちゃーん!」叫んでみても返事がありません。はる君は不安でいっぱいになりました。
その頃ちーちゃんは、宝石すくいの前にいました。「キラキラきれいだねー」宝石に夢中のちーちゃんですが、ふと周りを見ると、いつも付いてきてくれるはる君がいません。「お兄ちゃーん!」叫んでみても返事はありません。
「お兄ちゃんがいな~い…」ちーちゃんは急に心細くなってべそをかきだしました。周りの人たちは屋台に夢中で、ちーちゃんが一人ぼっちになってしまったことに気が付きません。
ちーちゃんはトボトボとはる君を探しながら、いつも遊んでいる遊具のある場所へとやってきました。
すると「ちーちゃん!!」はる君の声が聞こえました。ちーちゃんが顔を上げると、泣きそうな顔のはる君が走って来るのが見えました。
「良かったー!ここ、ちーちゃんの好きな場所だから、ここに来るかなと思ったんだ!」はる君は泣きそうな顔から喜びいっぱいの笑顔になりました。
「ごめんなさーい…!!」ちーちゃんはその顔を見て安心したのか、はる君にしがみついて大泣きしました。
「ママとの約束覚えてる?」はる君はちーちゃんに聞いてみました。「手をつなぐ!一人でどこかへ行かない!なんでもかんでも欲しがらない!」ちーちゃんが泣きながら言うと「ちーちゃん全部破ってる!」
はる君は大笑いしました。つられてちーちゃんも大笑い。
「もう迷子にならないように、ちゃんとお約束まもります!」ちーちゃんははる君の手をギュッと握りしめました。それから二人は仲良く一緒にお店を回って、はる君の食べたかった焼きそばもお腹いっぱいたべました。
おしまい