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卒園式はどうして行うのか、どんな意味があるのか学べるお話です。
ピカピカのランドセルが届き、入学式を心待ちにしているアキちゃん。そんなアキちゃんにママが卒園式をする意味を教えてくれました。卒園式当日、ママの言った意味をアキちゃんは理解しました。
このお話から、卒園式を行い次に成長する意味が学べます。
春になったら使うランドセルがアキちゃんの家に届きました。「早く1年生になりたーい!」ランドセルを背負いながら、嬉しそうにはしゃぐアキちゃん。「その前に明日から卒園式の練習が始まるね」ママがいうと「卒園式より、早く入学式したい!」アキちゃんは、はしゃぎながら言いました。
「卒園式はね、とっても大切なものなのよ」ママが言うと「どうして大切なの?みんな同じ小学校に行くし、寂しくなったら遊びに来てもいいよって先生言ってたから、寂しくないもーん♪」アキちゃんは鏡の前でポーズをとりながら言いました。
「寂しくなったら会えるの嬉しいね!でもね、卒園式は、ただ『さようなら』するだけの会じゃないのよ」ママの言葉に、アキちゃんは「そうなのー!?」と興味津々。ランドセルをおろして、ママの元へ近づいてきました。
「卒園式ってなぁに?」アキちゃんの目が『教えて教えて!』の目になっています。ママはクスッと笑うと卒園式について話はじめました。「卒園式にはね、3つの意味があるの。」「えー!3つ!?」アキちゃんは驚いた顔になりました。
「…保育園さようならと…先生さようなら…あとひとつは…ん〜っと…」アキちゃんが考えていると「それも正解だね。でも他にもあるの。」ママはまたクスッと笑いました。
「1つ目は保育園で教えてもらう事が全部おわりましたよ、よく頑張りましたねーの印に賞状をもらうこと。」『もらえる』という言葉でアキちゃんの顔がパーっと明るくなりました。
「2つ目は、立派なお兄さんお姉さんになったから保育はもうお終い、たくさん成長しましたねーってお祝い。」「最後3つ目は、今日から新しい世界がはじまるよ、頑張ってね、の意味。」「さよならだけじゃないんだ〜」アキちゃんは目を丸くしたまま聞いていました。
「そうなの。卒園式って、いっぱい成長したね、これから頑張ってねのお祝いの会でもあるの。だから、『さようなら』じゃなくて『卒園おめでとう』って言うのよ。」
「そっか!さよならなのに、おめでとうってへんなのーって思ってたの!」アキちゃんは不思議に思っていたことがわかってスッキリした顔になりました。
それからしばらくたった卒園式の日。いつもと違う保育園の雰囲気に、アキちゃんは緊張しながらホールの入り口に立っていました。入場の音楽が流れると、ドキドキドキドキ心臓が飛び出しそうになりながら、自分の椅子に座ります。あたりを見回すと、ハンカチで顔を覆っているパパとママが見えました。
卒園証書が配られ始めると、パパやママが居る席からは、たくさんのグスングスンという声が聞こえてきました。子どもたちは泣くのを我慢している子、大泣きしている子、笑ってはしゃいでいる子、いろんな子がいました。いよいよアキちゃんの番。名前がよばれたアキちゃんは「はい!」元気に返事をして先生の元へあるき出しました。
先生と向かい合うと、先生は少し目に涙が溜まっていました。それを見たアキちゃんは「あ、もう先生にいろんなこと教えてもらえないんだ…」と、突然寂しさがこみ上げてきました。「卒園おめでとう」の言葉に、涙をこらえていたアキちゃんは、「ありがとう」が言えず、うなずくしかできませんでした。
いよいよ最後のお別れの歌。その歌は有名な歌を、先生がアキちゃん達との思い出に書き換えた歌でした。歌っていると、先生やお友達との思い出がたくさん蘇ってきます。アキちゃんは我慢していた涙がどんどん溢れてきました。となりの子は泣きすぎて歌えなくなっています。
最後に先生から、「卒園おめでとう!!」元気いっぱい笑顔で言われました。たくさんたくさん泣いてすっきりしたみんなは「ありがとうございました!」元気に返事をして、新しい毎日をスタートすることができました。
おしまい