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主人公のトモくんが、本音を言う事の大切さを学んだお話です。
学校で友達がなかなかできない事が悩みだったトモくんですが、
心配性のお姉ちゃんを不安にさせたくなくて、それを言えずにいました。
でも、お姉ちゃんにとっては、遠慮して本当の事を言ってもらえないことが一番悲しかったのです。それを知ったトモくんは、もう隠し事はしませんでした。相手の事を信頼し、本音で語り合うという事の大切さを学べるお話です。
トモくんとお姉ちゃんは大の仲良し。お姉ちゃんは小さなトモくんが可愛くて仕方ありませんでした。お母さんの代わりに公園へ連れて行ったり、おんぶしたり、とても良く面倒を見ていました。
トモくんが小学校に入る頃、お姉ちゃんは病気で入院してしまいました。大好きなお姉ちゃんのことが心配だったトモくんは、学校の帰りには必ずお見舞いに行くようになりました。
「学校は楽しい?」「勉強わかる?」「友達はできた?」お姉ちゃんはいつも自分のことよりもトモくんを心配していました。「ボクは大丈夫だから、お姉ちゃん早く治して退院してね」と心配性なお姉ちゃんに、トモくんは元気いっぱいに答えていました。そう言うと、お姉ちゃんがとても安心した顔になるのをトモくんは知っていました。
でもトモくんは本当はまだ友達がいませんでした。緊張してなかなかクラスメイトに話しかけることができず、一人ぼっちでした。寂しい毎日でしたが、お姉ちゃんを心配させないようにいつも楽しそうにして、ごまかしていました。
ある日いつものようにお見舞いに行くと、お姉ちゃんはとても悲しい顔をしていました。「どうしたの?」とトモ君が聞くと「トモ、お姉ちゃんには何でも話してね。お姉ちゃんは味方なんだから…」と少し寂しそうにトモくんの頭を撫でました。
お姉ちゃんは入学したトモくんが心配で、友達に学校での様子を見てきてもらっていました。「ボクは大丈夫」といつも言っていたトモくんの本当の事がわかり、お姉ちゃんは心配と同時に本当の事を言ってもらえなかったこと、それに自分が気づいてあげられなかったことを悲しく感じていました。
トモくんはお姉ちゃんの優しい声に、思わず泣いてしまいました。泣きながら、なかなか友達ができないこと、お姉ちゃんに心配をかけたくなくて黙っていた事を全部話しました。お姉ちゃんは優しく「うん、うん」と聞いてくれました。
全部聞き終わるとお姉ちゃんは「本当のことを言ってくれてありがとう。せっかく兄弟なんだから、悩んでることあったら、一緒にどうすればいいか考えさせてね」そう言って、『友達ができるおまじない』を教えてくれました。
次の日、トモくんは早速『おまじない』を試してみました。おはようを言う前に『笑顔』を3回唱える。おまじないの効果か、その日から少しずつトモくんに友達ができ始めました。
トモくんにたくさん友達ができた頃、お姉ちゃんが退院しました。一緒の学校に通えるのもあと少し。なんでも相談できるようになった二人は、毎日仲良く学校まで通いました。
おしまい