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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
お姉ちゃんは、何事もレミちゃんより先にしてしまいます。
レミちゃんの大好きなキャラクターが出てくる絵本でさえ、先に読み始めてしまいました。
それに不満を感じているレミちゃんでしたが、その本当の理由を知ります。
お姉ちゃんは、まだ字が読めないレミちゃんに読んであげたくて、先に絵本を読んでいたのです。お姉ちゃんの持つ責任感、それを慕う妹の様子をほほえましく描いたお話です。
レミちゃんにはお姉ちゃんがいました。何をするにも「私お姉ちゃんだから」と言って、いつもお姉ちゃんが1番。そんなお姉ちゃんにレミちゃんは不満いっぱいでした。
ある日、新しい絵本をお母さんが買ってきてくれました。「仲良く読んでね」そう言って渡してくれた絵本は、レミちゃんの大好きなキャラクターが出てくる絵本でした。でもお姉ちゃんは部屋に入ると、「私お姉ちゃんだから」と先に絵本を読み始めてしまいました。
「レミも読みたいのー!」レミちゃんが絵本を奪うと、お姉ちゃんは「レミはまだ字が読めないでしょ。私は字が読めるから、先に読むの!」そう言って無理やり絵本を奪い返しました。
力でお姉ちゃんに敵わないレミちゃんは、泣きながら絵本を諦めて口を尖らせたままベッドに潜り込みました。そのまましばらくウトウトしていると、お姉ちゃんとお母さんの声が聞こえてきました。
どうやらお姉ちゃんが怒られているようです。「お母さん、仲良く読んでねってお願いしたのに…」お母さんの言葉をうんうんとベッドの中でうなずきながらレミちゃんは聞いていました。「お姉ちゃん、ちょっとは分かってくれたかな」そんな気持ちでレミちゃんはお姉ちゃんの言葉を待ちました。
でもお姉ちゃんからは、思っていたのとは違う言葉が聞こえてきました。「レミはまだ字が読めないでしょ?私はお姉ちゃんだから、字が読めるようになったでしょ。だから、私が先に読んで練習して、レミに絵本読んであげたかたの…」お姉ちゃんの申し訳無さそうな声が聞こえました。
レミちゃんがびっくりしていると、お姉ちゃんが部屋に入ってくる気配がしました。思わず布団をかぶって寝たふりをすると、「さっきは先に読んじゃってごめんね」お姉ちゃんはケンカの原因になった絵本を枕元に置きました。
思わずレミちゃんは布団から飛び出してお姉ちゃんに抱きつきました。「レミもごめんなさい!!お姉ちゃんに絵本、読んでほしい!」抱きつきながらレミちゃんは、お姉ちゃんを見上げました。
お姉ちゃんは優しくレミちゃんの頭をポンポンすると、「よし、お姉ちゃんが読んであげよう!」そう言ってお姉ちゃんは何度か読む練習をして、二人で仲良く新しい絵本を楽しみました。
おしまい