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ワニのお母さんと5つ子の子どもたちのお話です。
5つ子は甘えん坊で、いつもお母さんの背中に乗っていました。
しかし、意地悪なカバのいる川に迷い込んだことで、5つ子たちはお母さんを守りたいと思います。
5つ子は力を合わせてカバをやっつけると、もうお母さんに甘えているだけの子どもではなく少し大人になっていました。勇気を出して困難に立ち向かうことが成長につながるのです。
広くて大きな川に、甘えん坊のワニ5つ子が住んでいました。5つ子達は、今日もいつものようにお母さんの背中に乗ってゆっくりとお散歩を楽しんでいます。
でもお母さんは道を間違えてしまい、意地悪なカバのいる所へ来てしまいました。
「ココはオレ様の川だ!お前たちはあっちへ行け!!」グワーっと大きな口を開けて、カバは通せんぼをしました。このカバは意地悪で乱暴ばかりするので川に住んでいるみんなに怖がられていました。
「道を間違えてしまって、ここを通らないと家に帰れないの。お願いだから通してちょうだい。」
お母さんはカバにお願いをしましたが、カバは言うことを聞いてくれません。口を大きく開けて「そんなもん知るか!!」お母さんに襲いかかろうとしました。「お願いよ!ここはみんなの川なの!通して頂戴!」
お母さんも負けてはいられません。背中にいる5つ子達は初めて見るカバの大きさにブルブルと震えていました。
しばらくお母さんとカバのにらみ合いが続きました。5子達は頑張っているお母さんをみてだんだんと勇気が湧いてきました。「僕も悪いやつをやっつけたい!」「お母さんを守るんだ!」みんなで知恵を出し合いながらある作戦をたてると、お母さんの耳元でこっそり話しました。
「お母さん、僕達を意地悪なカバに向かって投げて。皆んなで輪になるんだ。ヨシ、僕のシッポに捕まって。大丈夫。僕達を信じて!」作戦を聞いたお母さんは心配しましたが、5つ子達を信じて、口をうまく使って輪投げのようにカバの元へ思いっきり投げました。
「ヨシ、一斉に噛みつき攻撃だー!」カバの首にかかった5つ子達は、一斉にカバに噛みつきました。「イタタタ!やめてくれー!わかったわかった!もう通せんぼはしないよー!」 カバはあまりの痛さに大慌てです。
「これからは、もう意地悪はしません…」きちんとカバに約束してもらうと、5つ子達はカバから離れてお母さんの元へ戻りました。「あなた達、泳ぎも上手くなっていたのね。それに、一緒に大きなカバにも立ち向かってくれて…ありがとう」 5つ子達は、本当は上手に泳げるのですが、いつも甘えてお母さんの背中に乗っていたのです。
お母さんの背中はもう卒業。 「お母さん、今までありがとう。お母さんに何かあったら、僕達がお母さんを守るからね」 それからカバは通せんぼをする事はなくなり、ちょっと大人になった5つ子達とお母さんはそれからもずっと幸せに暮らしました。
おしまい