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僕がクラリネットを壊してしまうお話です。
パパが大切にしていたクラリネットをもらった僕。
憧れの楽器だったクラリネットを僕は毎日練習していましたが、ある日落として壊してしまいます。そのことが言い出せなくて、僕はだんだん元気がなくなってしまいます。
思い切ってパパに正直に話すと、怒らずに修理屋さんでなおしてもらえました。本当のことを正直に話すことが大切だと学ぶことができます。
ある日パパが、大切にしていたクラリネットと言う楽器をくれた。
クラリネットは僕の憧れていた楽器だ。
クラリネットにはリードと言う、音をだす時に欠かせない部品があって、最初にそれを口にくわえて湿らせてから楽器に装着するのだが、リードをくわえているパパが、なんだかとってもかっこよく見えたのだ。
クラリネットをもらった日から、僕は毎日練習した。
リードをくわえて、パパに見せたりもした。
最初は全然音が出なかったけど、少しづつ音を出せるようになって、ついに「きらきら星」を吹けるようになった。
「よし、練習はバッチリだ。明日はパパに聞いてもらおう」
そう思ってクラリネットをしまおうとした時…
ガシャン!!
クラリネットを床に落としてしまった。
「どうしよう…」
壊れていないか、吹いてみることにした。
まず「ド」の音。フシュー…音が出ない。
次に「レ」の音。フシュー…レも出ない。
まさかと思い、「ミ」を吹いてみると、フシュー…
やっぱりミも出ない。
パパの大切にしていたクラリネットを壊してしまった。
僕は怖くなって、思わず手が滑ってしまった。
ガシャン!!また落としてしまった。
もう一度吹いてみた。
ドレミファソラシの全部の音が出なくなっていた。
「どうしよう…」
次の日、パパが
「クラリネットの練習はどうだい?ちゃんと大切に使っているかい?」
と聞いてきたので、思わず
「バッチリだよ!」と嘘をついてしまった。
心がギュッとなった。
その日から、パパとあまり話せなくなってしまった。
ある日、僕を心配したパパが話しかけてきた。
「最近元気が無いけど、どうしたんだい?」僕が下を向いて黙っていると、
「そんな時はクラリネットでも吹いて元気を出そう!」
パパに言われて、思わず泣いてしまった。
泣きながら、パパに壊してしまったことを話した。
怒られると思って、ドキドキしていると、「なんだ、そんなことか。話してくれてありがとう。」
と言われた。
僕がキョトンとしていると、
「壊してしまったことは仕方がない。内緒にしないで話してくれることが大切なんだよ。」
とパパに言われた。
一度だけ嘘を言ってしまったことを話した。
パパは優しく頭をなでてくれた。
「ごめんなさい」僕は、パパにちゃんと謝ることが出来た。
次の日、クラリネットを修理屋さんに持っていき、無事に「きらきら星」をパパに聞いてもらう事ができた。
おしまい