あらすじ…

空の上にいた小さな赤ちゃんのマメちゃんが、神様と一緒にパパとママを探して生まれてくるお話です。

マメちゃんは流産に悲しむ若い夫婦を見つけ、自分が幸せにしてあげたいと思います。マメちゃんは生まれた瞬間に空の上での記憶はなくなりますが、パパとママが大好きな気持ちは持ったまま生まれてくるのです。

大好きなパパとママのもとに、生まれてくることの奇跡を感じることができるお話です。

パパとママ

空の上に、小さな小さな赤ちゃんのマメちゃんがいました。マメちゃんは神様と一緒に「どんなパパとママにしようかなー」と自分のパパとママになってもらう人を探していました。

「お、あの人達はどうじゃ？マメちゃんは動物が好きじゃろ。あの二人はいつも休みの日、動物園に行っておるんじゃよ。」「んー。。。」「なら、あの二人はどうじゃ？優しいぞー。」「優しいだけじゃなー。。。」マメちゃんのパパとママはなかなか決まりません。

ある日、マメちゃんがいつものように神様とパパママ探しをしていると、赤ちゃんを産む病院から、悲しい顔をして出てきた若い夫婦が見えました。「どうしてあんなに悲しそうなの？」マメちゃんが聞くと「お腹の赤ちゃんが死んでしまったんじゃよ」と神様が悲しそうに答えました。

マメちゃんはその日から、その若い夫婦が気になりだしました。食べ物に気をつけたり、本を読んで勉強したり、その夫婦はパパとママになろうと沢山頑張っていました。でもいくら頑張っても、いつもお腹の赤ちゃんは死んでしまうのでした。

「神様。マメ、あのパパとママのところへ行きたい！！とっても頑張ってるから、マメが喜ばせてあげたい！！」マメちゃんは神様にお願いしました。「本当にいいんじゃな？」神様が聞くと「うん！！」マメちゃんは力強く答えました。「それじゃあ、行ってきなさい。」神様が優しくマメちゃんを撫でると、マメちゃんは地上のパパママめがけて飛び降りました。「パパとママ！！待っててね！」

しばらくして、マメちゃんは、無事にママのお腹に来る事ができました。マメちゃんがお腹にきてからも、いつもパパとママは不安そうでした。「元気にうまれてくるかしら。。。」そんな時マメちゃんは「大丈夫！マメは元気だよ！」とママのお腹をぽこぽこ蹴って教えるのでした。

マメちゃんのパパとママが決まってから、１０カ月が経ちました。いよいよマメちゃんが生まれる日。お腹の中にいたマメちゃんを見守ってくれていた神様ともお別れです。
「さようなら、神様。マメ、やっと会える。ずっと大好きだったパパとママにやっと会えるの！すごく嬉しい！すごく楽しみ！」

「生まれた瞬間にここでの記憶は全部なくなってしまう。地上に持って行けるのはたった一つ『パパ、ママ大好き』という気持ちだけ。さようならマメちゃん。幸せになるんじゃよ」
嬉しくてはしゃぐマメちゃんに、神様は優しくお別れを告げました。

すると、「おぎゃーっ」
元気な声が病院中に響き渡りました。
「私がママよ、私たちの赤ちゃん！」
「やっと会えたね、僕たちの赤ちゃん！」
元気に産まれたマメちゃんを抱きしめながら、パパとママは泣いて喜びました。

おしまい

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