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ゆめちゃんとお母さんの、心温まる物語です。
私は元気!と知らせたくて赤ちゃんの時に沢山泣いたゆめちゃんですが、それがわからないお母さんは、だんだん笑顔を失ってしまいます。
それから弟が生まれ、沢山泣きますが、言葉が使える年になったゆめちゃんは、赤ちゃんが泣く本当のわけをお母さんに教えてあげるのです。
おかげでお母さんには笑顔が戻り、ゆめちゃんのお家には笑い声が戻ったのでした。泣いている赤ちゃんを可愛いと思える、そんなお話です。
病院で赤ちゃんが産まれました。お腹から出てきた赤ちゃんが泣くと、「やっと会えたねー!」パパとママも嬉しそうに泣きました。赤ちゃんは『ゆめちゃん』と名前をつけてもらいました。
ゆめちゃんはたくさん泣きました。「私は元気だよ!」と伝えたくて、昼も夜もママの寝る時間がなくなるくらい泣きました。ママは毎日クタクタになりましたが、ゆめちゃんが可愛くて必死にお世話をしました。
でも泣いてばかりいるゆめちゃんに、だんだんとママは笑わなくなってしまいました。ある日、仕事から帰ってきたパパにママは言いました。「もう無理…こんなに泣いてばっかり…どうして泣いているのかわからないの…」ゆめちゃんはママの言っている言葉の意味がよくわかりませんでした。でも、なんだかとても悲しい気持ちになりました。
ゆめちゃんが少しお話ができるようになった頃、ママの笑顔も戻ってきました。「ゆめ、おねえちゃんになるのよー」ママのお腹には赤ちゃんがいました。
それからしばらくして、弟が産まれました。弟もゆめちゃんと同じでよく泣きました。ママは毎日寝る時間がなくなり、また笑顔が少なくなりました。ゆめちゃんはママがとても心配でした。
「ボクは元気だよーって、たくさん泣いてるね!元気な赤ちゃん可愛いね!」ゆめちゃんがそう言うと、ママは泣きそうになりながら、そっとゆめちゃんを抱きしめました。「ほんとだね。いっぱい泣くってことは、いっぱい元気ってことだもんね。ゆめ、ありがとう。」
その日から、少しずつママの笑顔が戻ってきました。弟が泣いても「元気だねー」とゆめちゃんと一緒に笑い飛ばすようになりました。
ママと弟のために、ゆめちゃんも弟の世話を一生懸命手伝いました。するとゆめちゃんのお家は、いつでも笑い声が聞こえる素敵なお家になりました。
おしまい