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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
成長の遅い障がいのせいで、みんなと同じようにじっと座っていられなかったり、順番の守れないコウ君のお話です。
コウ君を仲間外れにする子どもたちもいる中、先生がコウ君の生まれつきの障がいのことを話します。
すると、みんなは生まれつきのアレルギーやくせ毛など、それぞれに生まれつきの個性があることに気がつきます。障がいを持つことも特別なことではなく、みんなの持つ個性と同じなのだと学ぶことが出来ます。
コウ君は成長が遅い障がいをもっていました。通っている保育園でお絵かきの時間、みんなが椅子に座って描いていても、コウ君は立ってウロウロ。みんなでゲームをしていても、順番が守れなかったり、いきなり途中で辞めたりしてしまいます。
小さなころからコウ君と同じクラスだった子どもたちにとっては、それが当たり前の毎日でしたが、新しく入園してきた子どもたちはコウ君を仲間はずれにするようになりました。「ちゃんと座れないなんて変なのー」「一緒にゲームしてもつまんないから入ってこないでよー」
コウ君は少しだけ悲しい顔をすると、いつもすぐに教室のすみっこで絵本を見始めます。そんな時は昔から一緒にいたクラスメイトがコウ君のそばへ行き、一緒に絵本を読んでくれていました。
ある日、コウ君について先生がみんなに話をしました。コウ君にはたくさんの『苦手なこと』がありました。じっとしているのが苦手なこと、なんでもすぐに飽きてしまうこと、忘れっぽいこと。でもそれは、全て生まれつきの障がいのせいだということ…。みんなは黙って先生の話を聞きました。
すると、誰かがいいました。「生まれつきなら、ボクも生まれつきアレルギーあるよ!」「私、生まれつきぜんそく!」みんながボクも私もと話始めると、コウ君を仲間外れにしていた子たちも「ボクは生まれつき背中にアザがある!」「ボクは生まれつき髪の毛がくるくるしてる!」と話し始めました。
みんなは障がいについての難しいことはわかりませんでした。でも、コウ君の苦手なことは、みんなが持って生まれた『生まれつき』のものと種類が違うだけで、特別なことではないんだと感じることができました。「みんなでゲームしようよ!コウ君もこっちおいでよ!」
次の日からみんなはコウ君も誘うようになりました。コウ君は相変わらず途中で辞めてしまいますが、それでもコウ君を仲間外れにする人はいなくなりました。そうやって卒園するまでの間、コウ君はクラスの仲間として同じようにみんなと楽しく過ごすことができました。
おしまい