チャンネル登録:
お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
さくらちゃんとお父さんが二人でピアノの発表会に参加するお話です。
お父さんはピアノが苦手でしたが、さくらちゃんのために一生懸命練習をします。発表会当日、お父さんは緊張で少し失敗もしてしまいますが、さくらちゃんのサポートで、みんなからの評判は上々でした。さくらちゃんは頑張ったお父さんを誇らしく思います。
頑張る姿は、人の心を動かすと教えてくれるお話です。
小学校に入ってすぐ、ピアノを習い始めたさくらちゃん。ピアノが楽しくて仕方がなかったので、はじめての夏休みにピアノの発表会に参加することにしました。
さくらちゃんは、まだピアノを習い始めたばかりだったので親子演奏で参加することになりました。てっきりお母さんと参加すると思っていたのに、お母さんは産まれたばかりの弟の世話でそれどころじゃありません。さくらちゃんは仕方なくお父さんと参加することにしました。
お父さんは昔ギターを弾いていたらしく、音符を読むことはできました。「お父さんすごいー!」さくらちゃんが感心したのもつかの間、いざピアノを弾いてみると、お父さんは指が太くて思うように弾けません。その日からさくらちゃんが先生となって、お父さんのピアノの特訓が始まりました。
お父さんはピアノの前に座ると、緊張するのかいつも指が震えてしまいます。不安そうにさくらちゃんを見つめるお父さんにさくらちゃんはいつも「お父さん大丈夫。さくらが付いてるからね!」と励ましました。それを隣で聞いているママは「どっちが親かわからないわね」とクスクス笑いながら見ていました。
それでもお父さんは、毎日慣れないピアノを一生懸命練習しました。どんなに間違えても、どんなにさくらちゃんに怒られても、諦めずに練習を続けました。
いよいよ発表会当日。周りを見渡すと、他の子はみんなお母さんと一緒に参加している中、さくらちゃんは緊張しているお父さんに「大丈夫、あんなに練習したじゃない!」相変わらずお母さんのような口調でお父さんの背中をポンッと叩き、お父さんと一緒に深呼吸をしました。
舞台に上がるとお父さんは緊張で震えっぱなしでした。でも、さくらちゃんのために一生懸命でした。練習の成果で演奏はなんとか無事に終わりましたが、曲紹介を間違えたり、終わりの挨拶を忘れそうになったりするお父さんをさくらちゃんはずっと助けていました。そんな様子にいつの間にか会場は、ほんわかと優しい空気が流れていました。
舞台から降りると、「さくらちゃん素敵だったわね」「お父さん演奏じょうず!」「さくらちゃんとお父さんのコンビが一番よかった」といろいろな人に褒められました。さくらちゃんは照れくさかったけど、ずっと頑張ってくれていたお父さんをとても誇らしく感じました。
帰り道「お父さん、頑張ったご褒美にたくさん肩たたきしてあげるね!」とさくらちゃんが言うと「さくらが頑張ったご褒美にお父さんは肩車をしてあげよう!」するとお母さんが「二人のご褒美に、今日はごちそうをつくっちゃお!」と言ったので、お父さんとさくらちゃんは目を合わせながら「ヤッター!!」と両手を上げてはしゃぎました。
おしまい