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【絵本読み聞かせ】「ニーナ」を絵本にしてみた【イスのマリー】/童話・日本昔話・紙芝居・絵本の読み聞かせ朗読動画シリーズ【おはなしランド】

2019-1-31

あらすじ…

木でできた美しい椅子、マリーの一生を描いた物語です。

椅子職人にその妻の名前をつけてもらったマリーは、大切にしてくれていた職人の元を離れて以来、様々な人たちに使ってもらいます。自分と同じ名前を持つ少女に出会ったマリーの最後の役目は、少女の子供の人形の椅子。常に持ち主の生活に溶け込み、持ち主の生き方に寄り添ってきたマリーの目線は、とても暖かく慈しみにあふれているのでした。

この物語は、ものを大切にする心が学べます。

 

「ニーナ」を絵本にしてみた【イスのマリー】

 

とても丈夫で美しい木の椅子のお話。
その椅子を作ったのは、ある街に1人で住んでいる椅子職人のお爺さん。
とても美しい椅子が出来上がったので、お爺さんは椅子にこっそり大好きだったお婆さんの名前を彫りました。
名前はマリー。その日から椅子の名前はマリーになりました。マリーは自分に名前をくれたお爺さんに「ありがとう」とつぶやきました。

お爺さんがマリーをお店のウィンドーに並べました。マリーはしゃんと背筋を伸ばして美しく綺麗に見せました。その姿がとても美しかったので、すぐにお客さんが「欲しい」とお店に入ってきます。でもお爺さんはマリーがとても大切っだったので、ついつい「これは売り物じゃないんだ」と言ってしまいます。

何度かの秋が過ぎ、お爺さんは「大切に使って下さい」とやっとマリーをお客さんに売りました。
「これからどこへ行って、どんな人が使うんだろう…」マリーはドキドキしていました。

マリーを買った主人は大きなお屋敷に住んでいました。
マリーは大広間に置かれました。
そのお屋敷では毎晩ダンスパーティーが開かれていて、とても賑やかでした。
マリーにはいつも、ドレスを着た美しい女の人が座ります。主人は隣に座り、いつも幸せそうでした。マリーはそんな主人を見るのが大好きでした。

何度かの冬が過ぎ、お屋敷も古くなり、主人はお爺さんになりました。
ダンスパーティーもなくなり、マリーに誰も座わらない日々が続きました。
それでも主人は毎日マリーを磨いてくれたので、マリーは美しい椅子でした。

ある朝、マリーは色々なお屋敷の家具と一緒にトラックに乗せられました。
「お屋敷のご主人、大切に使ってくれてありがとう。」マリーは主人に別れをつげ、トラックに揺られます。

「次はどこへ行くのかしら…」マリーは海を渡っていきました。
ゆらゆら揺れる、暗い舟の底は、少し古くなったマリーをドキドキさせました。

舟の旅が終わると、マリーは1人暮らしのお婆さんの家に置かれました。そこから見える庭には、いつも綺麗な花が咲いています。お婆さんはパンを焼くのが大好きで、飼っている猫は灰色の猫でした。

マリーの上には、いつもその灰色の猫が丸まってお婆さんの話を聞いています。
お婆さんの話は決まってお爺さんの話でした。大好きだったお爺さんの話を毎日猫は黙って聞いています。

お婆さんはだんだん歩けなくなり、ベッドで寝たきりになりました。
ベッドの横には、マリーとその上に丸まった灰色の猫がいつも寄り添っています。
お婆さんはやっぱり毎日お爺さんの話をしました。
灰色の猫は、時折「ニャァ―」と小さく鳴くようになりました。
それはまるで、お婆さんを元気づけているようでした。

何度か春が過ぎると、マリーは古道具屋にいました。
古道具屋の主人は、マリーの傷を直したり、椅子のクッションを直したり大忙しです。

綺麗になったマリーがお店に並ぶと、やっぱりすぐにお客さんの目に止まりました。
「ウチの窓辺にぴったりだわ!」
マリーは海が見える小さな可愛いお家の窓辺に置かれました。

そのお家には小さな女の赤ちゃんがいました。
マリーの上には赤ちゃんを抱っこしたお母さんが座ります。
お母さんは海を眺めながら、毎日子守唄を歌いました。

何度かの夏が過ぎ、小さな女の赤ちゃんは5歳になっていました。
女の子の大好きな遊びは、マリーの下に隠れる海底ごっこです。
ヤンチャな女の子に、マリーはだいぶ傷が増えてしまいました。

すると女の子が何か見つけました。
「ママ!このお椅子、マリーって書いてあるよ!私の名前と一緒だよ!!」
マリーの下から大喜びしながら女の子が出てきます。
その日から、女の子はマリーとの海底ごっこをやめました。

マリーは毎日幸せでした。
みんなが大切にしてくれたおかげで、マリーはお婆さんの椅子になっていました。
お婆さんになったマリーは、ある朝足が折れて転がってしまいました。
でも、古すぎるマリーは椅子職人でも、古道具屋さんでも、もう直せません。
大きくなった女の子はそっとマリーに言いました。
「おつかれさま。ありがとう。」

マリーはとても丈夫で美しい木の椅子でした。お婆さんになったマリーは、人に座ってもらうことを辞め、小さな小さなお人形の椅子になりました。
小さな小さなマリーは、大きくなった女の子の子供と一緒に、毎日たくさん遊んでいます。

 

おしまい

 

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