あらすじ…

パパが天国へ行ってから、あーちゃんはあまり話をしなくなりました。

保育園ではいつも、ぬいぐるみのパパと楽しそうに遊んでいます。ある日、友達がぬいぐるみのパパとおままごとをやりたいと言い、一緒に遊びました。あーちゃんは友達ができたことをママに伝え、パパにもたくさん友達を作ると言います。この日、ママは初めてあーちゃんが話さなくなった本当の理由を知るのでした。

このお話は、大切な人を思いやる心と、言葉で伝えることが大切だということがわかるお話です。

おままごと

あーちゃんは、おままごとが大好きな女の子。保育園にいる時間はいつも、たくさんのぬいぐるみと一緒に楽しそうにお話をして遊んでいます。

でも、あーちゃんは、恥ずかしがり屋な女の子。お友達と遊ぶときも、自分からお話をするのがちょっと苦手でした。
「あーちゃんは、きちんとお話ししてくれないから、おままごとができない。」っていつもお友達に言われてしまいます。

でも、あーちゃんがお話をするのが苦手なのには理由がありました。それは、あーちゃんがもっと小さいときに、パパが病気で死んじゃったからです。小さかったあーちゃんには、とっても悲しい出来事でした。この時からあーちゃんは、お話するのがちょっと苦手になりました。

パパがいなくなってから、あーちゃんは、おままごとでよく遊ぶようになりました。
そのおままごとには、いつもパパがいました。「あーちゃん、今日は何して遊ぼうか？」「パパに肩車してもらいたい！だってパパの肩車、とっても高くて面白いんだもん！」あーちゃんはぬいぐるみのパパにたくさん遊んでもらっていたのです。

ある日、お友達が声をかけてきてくれました。
「あーちゃん、いつもパパとお話ししてるでしょ？あたしも、あーちゃんのパパと一緒におままごとやりたいな！」あーちゃんは、とっても嬉しそうに「いいよ！」とうなずきました。

その様子をそっと見ていた先生は、迎えにきたあーちゃんのママへそのことを伝えました。ママは涙が止まらなくなってしまいました。
すると、ママに気づいたあーちゃんが走ってきて「ママ、どうして泣いているの？今日、あーちゃんとパパに新しいお友達ができたんだよ！」と嬉しそうにお話をしてくれました。

ママは、うんうんと泣きながらうなずいていると、あーちゃんは誰も知らなかった本当のことをママの耳元でコショコショ内緒で教えてくれました。
実は、あーちゃんはお話をするのが苦手だったわけではなかったのです。

お友達と遊んでしまうとパパがひとりぼっちになってしまうからかわいそう…と思っていたんだそうです。ママはそれを聞いて、また泣いてしまいました。
そんなママを見てあーちゃんは「ママ、もう大丈夫よ！パパにも沢山お友達作ってあげるから！」とにっこり笑顔で言いました。

それからというもの、あーちゃんはぬいぐるみのパパと一緒にたくさんの友達をつくりました。「あーちゃんパパー！今日は何して遊ぶ？」「そうだなー、今日は【だるまさんがころんだ】をしよう！」そう言って、あーちゃんはぬいぐるみのパパとたくさんの友達と一緒に楽しい毎日を過ごしました。

おしまい

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