あらすじ…

ポケットのジャングルに住む、沢山の動物たちと楽しい時間を過ごす男の子の物語です。

動物たちそれぞれの個性を知っている僕は、動物たちと実にうまくやっています。ただ、ポケットジャングルのことは、お母さんにすら秘密の事。僕の密かな楽しい時間は誰にも知られてはなりません。

子供は秘密の遊びや自分だけの秘密基地が大好きです。その様子をうまく表現した物語と言えるでしょう。

ポケットの秘密（ポケットのひみつ）

ボクのポケットには秘密がある。
そう、このポケットはなんと、ジャングルになっているんだ。
ジャングルの中にはたくさんの動物達が暮らしている。

まずはライオン。この子はメチャクチャ強いから、なかなかポケットから取り出せない。やっと取り出しても「ガオー！」とすぐに牙を剥く。

次はキリン。この子はとっても首が長い。取り出すのにも時間がかかる。首が長くてなかなか身体が出てこないんだ。

次はカバ。この子はとってもお寝坊さん。ポケットの中を覗くと、いつもお昼寝をしている。取り出すときは、いつだって大きな口を開けて大あくび。

次はゴリラ。取り出すと、すぐに「ウッホウッホ」と胸を叩いてる。強そうだしかっこいいからボクは一緒に真似をする。「ウッホウッホ♪」いつもとっても楽しそう。

もしこのポケットをママが覗いたらどうしよう。
ポケットの中がジャングルになってるなんて、きっとビックリして、倒れちゃう。

もしこのポケットを街の人が覗いたらどうしよう。ポケットの中にたくさん動物がいるなんて、きっと街中が大騒ぎになる。動物がビックリして逃げ出したら大変だ。

だから、このポケットはボクだけの秘密。だれにも内緒。
みんなみんな、ボクの大切な友達なんだ。だからビックリさせないようにそーっと秘密にしておく。

お洋服をお洗濯する時は、こっそり動物をおもちゃ箱に隠しておく。間違えてお洗濯しちゃったら大変だ。大洪水でみんな溺れちゃう。「ちょっと狭いけど、がまんしてね」みんなはいい子で待っててくれる。

そして、お洗濯がおわってピカピカのお洋服になったら、またポケットに動物達を入れる。
そうするとボクのポケットはまた、いつものジャングルにもどるんだ。

おしまい

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