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幼馴染のイクト君とナギちゃんのお話です。
「大きくなったら結婚しよう」と言い合っていた二人。ある日イクト君が、両親の結婚指輪を見て、ナギちゃんにミサンガで作った指輪をあげました。
しかし二人は大きくなるにつれだんだんと疎遠になっていきます。高校生になったイクト君はナギちゃんが入院していることを聞き、連絡をとらなかったことを後悔しながらナギちゃんに会いにいきました。
久しぶりに再会する二人の小指には変わらず指輪があり、二人は再び結婚を誓います。側にいなくても変わらない思いがあるとわかる感動ストーリーです。
イクト君とナギちゃんは幼馴染。幼稚園も一緒で、近所に住む二人は、いつも一緒に遊んでいました。「大きくなったら結婚しようね」これが二人の口癖でした。
ある日、イクト君はお父さんとお母さんがお揃いの指輪をしている事に気づきました。
「なんでお揃いの指輪付けてるの?」とイクト君が尋ねると
「大好き同士、お互いにず~と一緒に仲良く暮らしていこうねって印なのよ」とお母さんが照れくさそうに教えてくれました。
それを聞いたイクト君は「これはナギちゃんにあげなくちゃ!」と、いてもたってもいられなくなりましたが、指輪なんてお金がなくて買えません。一生懸命考えたイクト君は、ミサンガでおそろいの指輪を作ることにしました。
学校でミサンガ作りが流行っていたので、作り方は知っていました。
本当だったら腕や足につけるミサンガを、小さい円にして結び、指輪を作りました。
次の日、イクト君は幼稚園に行くと、ミサンガで作った指輪をナギちゃんにこっそり付けてあげました。「これ、お揃いなんだよ。大好き同士、ずーっと一緒にいようって印ね!」と耳元でこっそり伝えました。
次の日、ナギちゃんがミサンガの指輪を付けてきてくれるのか、イクト君は心配でドキドキしていました。ナギちゃんが、ちゃんと指輪を付けているのを見て、「僕は絶対ナギちゃんと結婚する!」とイクト君は心の中で決意しました。
月日は流れ、イクト君もナギちゃんも中学生になりました。
ナギちゃんは頭がよかったので中学受験に成功し、少し離れた学校に通い、イクト君は家の近くの中学校に通うことになりました。
その頃から、お互い恥ずかしさもあってか、あまり話さなくなり、だんだんと会わない日が続くようになりました。
さらに月日が流れ、二人は高校生になりました。
イクト君は家から近い高校に入学し、新しい友達も沢山できて部活も始めました。その頃から毎日忙しかったこともあり、ナギちゃんとは全く会えなくなってしまっていました。
高校3年生の春休み、
急にナギちゃんのお母さんから家に電話がありました。どうやらナギちゃんが入院しているらしいのです。イクト君は「なんでナギちゃんと連絡取らなかったんだろう…」と後悔し、すぐにお見舞いに行くことにしました。
病院に着くとイクト君は、少し照れくさそうに「よう。」と言いながら病室にはいりました。
久しぶりに会ったナギちゃんは、昔と変わらない笑顔で迎えてくれました。ただ違うのは、ベッドに寝ているということだけ。「来てくれてありがとう!」とナギちゃんは嬉しそうに答えました。それから二人は中学生の頃や、高校のことをたくさん話しました。
少ししてナギちゃんが喉が渇いたからと、ベッドから起き上がりました。
コップを持つナギちゃんの手をふと見ると、小指にはあのミサンガの指輪が付いていました。
イクト君は「僕があげたミサンガ、まだ付けてくれてたんだ!」と思わず叫びました。
ナギちゃんの小指のミサンガを見て、イクト君は感極まって泣き出してしまいました。
突然の出来事にナギちゃんは心配そうに見守ってくれていました。
それから泣いているイクト君の頭を撫でながら
「大好き同士、お互いにず~と一緒に仲良く暮らしていこうねって印。これはミサンガだから、この指輪にそうず~と願っていたの。そうしたら今日、ちゃんとイクト君が会いに来てくれたんだよ。」「それにイクト君も小指にミサンガしてくれてるじゃん」と優しく言いました。
イクト君は照れくさそうに、キツキツのミサンガの指輪がはめられた小指を見せました。そう、イクト君もずっとミサンガを付けていたのです。
イクト君とナギちゃんはお互いの小指にはめられたミサンガを見せ合いながら笑いました。
そしてお互いのミサンガが切れたら、結婚しようと誓いあいました。
おしまい