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「ヘンゼルとグレーテル」の魔女が優しかったらという視点から語られたお話です。
お菓子作りの得意なおばあさんは子どもたちにお菓子をごちそうしていました。ですが、誰も家にこなくなってしまい悲哀のあまり、魔女になってしまいました。
そんな時、ヘンゼルとグレーテルが訪ねてきてお菓子をごちそうすると、魔女は元の優しいおばあさんに戻りました。孤独の悲哀、救われた時の感動を学ぶことができます。
むかしむかし森の奥に、お菓子作りが得意なおばあさんが住んでいました。
おばあさんは毎日近くに住む子どもたちにお菓子を作っていました。
子どもたちの喜ぶ顔を見るのが何よりも楽しみだったのです。
しかし、一人…二人…と森から町へ引越してしまいました。
「絶対遊びに来るからねー!」「おばあさん、お菓子つくって待っててねー!」
子どもたちは口々に言い、去っていきました。
ついに森にはおばあさんだけが残ってしまいました。
「寂しいわぁ…」おばあさんはそれでも毎日お菓子を作りました。
「もしかしたら今日子どもたちが遊びに来てくれるかもしれない。」
「絶対遊びにくるって言ってたわ。早くこないかしら。」
毎日毎日子供たちが遊びに来てくれるのを待ちましたが、いくら待っても誰も来てくれません。「もしかしたらお菓子が無いと思って帰ってしまっているのかもしれないわ。」
そう思ったおばあさんは、自分の家をお菓子で作り始めました。
「これでみんな遊びに来てくれるわ。」
おばあさんはお菓子の家で何年も何年も子どもたちを待ちました。
でも、一人もおばあさんの家には遊びに来ませんでした。
おばあさんは悲しみのあまり、魔女になってしまいました。
そんなある日、幼い兄妹が自分の家をむしゃむしゃ食べているのを見つけました。
おばあさんは嬉しくなって話しかけました。
しかし、魔女の姿を見た兄妹は震え上がってしまいました。
目の悪かったおばあさんは、そんなことには気づかず家の中へ招待しました。
「家の中にはもっと美味しいお菓子があるよ。」
兄妹は恐る恐る家へ入りました。
おばあさんは久しぶりのお客さんだったので、とびきりのおもてなしをしました。
はじめは静かだった兄妹も、少しづつお話をしてくれるようになりました。
心が暖かくなったおばあさんは、いつのまにか魔女の姿ではなく、優しいおばあさんの姿に変わっていました。
優しいおばあさんの姿を見たヘンゼルとグレーテルは
「きっと悪い魔法にかかっていたんだね」と言い、おばあさんといつまでも仲良く暮らしました。
おしまい