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ユウト君のクラスメイト、トモ君の自由研究のお話です。
みんなは両親に手伝ってもらって立派な作品を作っています。しかしトモ君の両親は仕事が忙しく、弟の分の立派な自由研究に時間を割かれてトモ君自身の自由研究は折り紙の紙飛行機でした。
事情を知るユウト君だけは感心し、トモ君を馬鹿にするクラスメイトに弟の立派な自由研究を見せます。
1年後、自由研究はみんなで協力して作ることになりました。困っている人に優しくすること、助け合えばみんなが楽しくなることが分かるお話です。
夏休み最後の日。ユウト君はお父さんと一緒に、宿題の自由研究で紙粘土の船を作りました。次の日学校に持って行くと、「このエプロン、本当は母さんが縫ってくれたの。」「このロボット格好いいだろ!実は、お父さんと兄貴がほとんど作ってくれたんだけどな!」みんなそれぞれ自分の自慢の作品を見せ合っていました。
そんな中、クラスメイトのトモ君の自由研究は、折り紙で作った普通の紙飛行機でした。
「なんだこれ。簡単じゃないか。」
どこからか馬鹿にした声が聞こえました。
でもユウト君は違います。馬鹿にするどころか感心していました。
トモ君の家は、お父さんは単身赴任。お母さんも働いています。
それを知っていたユウト君は「トモ君、みんながお父さんやお母さんに手伝ってもらっている宿題を、弟の面倒を見ながらやり遂げたんだ…すごいな…」と、思っていたのです。
ユウト君は「トモ君の弟はいったい何を作ったのだろう…」と気になりだしたので、弟のクラスに行ってみました。
弟の作品も折り紙の紙飛行機でした。でも、何枚もの折り紙を巧みに組み合わせた立体的なジェット旅客機。すごく手のかかっている作品でした。
弟の作品に時間をかけて、自分の作品は時間をかけられなかったんだろう。ユウト君はますます感心してしまいました。
そこでユウト君は、「なんだ簡単じゃないか。」と言ったクラスメイトに「ちょっとこっち」と手を引っ張ってトモ君の弟のクラスに連れて行きました。
「おい、なんだよ!」と嫌がるクラスメイトを「見せたいものがあるんだ」とユウト君は強引につれていきました。
「これを見て。」
ユウト君がジェット旅客機を見せると、クラスメイトは何も言わずに教室にもどり「あれ、お前がつくったのか?おまえすごいな!さっきは馬鹿にして悪かったよ。」とトモ君に謝りました。
それから1年が過ぎ、また夏休みがやってきました。今年の夏休みの工作はユウト君とトモ君と、あのクラスメイトと一緒にグループ制作することを先生にお願いしていました。
1人では大変な自由研究も、みんなで作ればあっという間に完成します。
トモ君は「ありがとう!これで弟の自由研究を手伝いながら、自分のかっこいいものも作れるよ!」と2人にお礼を言いました。「みんなでやった方が、絶対すごいのつくれるじゃん!」「何つくる?」「めちゃくちゃかっこいいの作ろうよ!」3人の楽しい夏休みが始まりました。
おしまい