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あおいちゃんとママの思いのすれ違いのお話です。
あおいちゃんは、ママが携帯電話ばかり見ているので、携帯電話を隠すようになります。ママは、そんなあおいちゃんを叱っていましたが、あおいちゃんのさみしい気持ちを知って反省しました。
ママは、携帯電話で買い物のメモを見たり、パパに連絡をしたり家事育児に一生懸命であおいちゃんの気持ちに気が付かなかったのです。それ以来、ママは会話を大切にするようになりました。このお話から、きちんと伝えることが大切だと学べます。
あおいちゃんはママが大好き。幼稚園のお迎えでママが見えると嬉しくてついつい「ママ~!」って走って飛びついちゃう。ママはいつも、飛びついたあおいちゃんをぎゅーっと抱きしめてくれます。二人はとっても仲良しでした。
でも、あおいちゃんには一つだけママの嫌なところがありました。それは携帯電話をいつも見ているところ。あおいちゃんとママは、幼稚園から家に帰る途中毎日スーパーに寄ります。あおいちゃんは欲しいお菓子を見つけて「ママみて、くまさんのグミ、美味しそうだよ!」おねだりしても、ママは携帯電話を見ながら「ふーん」と上の空。こっちを見てくれません。
家に帰ってきても、気がつくとママは携帯電話とにらめっこ。あおいちゃんが話しかけても「はいはい」と、全然こっちを見てくれません。「携帯電話なんて、無くなっちゃえばいいんだ」そう思ったあおいちゃんは、次の日からママが見ていないスキに、携帯電話を隠すようになりました。
隠された携帯電話を見つけ出したママは「これはとっても大切な物なの。いたずらはやめてね。」そう言っていつもあおいちゃんを叱りました。
あおいちゃんはうまくママに気持ちを伝えられず「むぅ〜…」といつも口を尖らせました。「どうしたらわかってもらえるんだろう」ママもあおいちゃんも悩みました。
そんなやり取りが続いたある日、あおいちゃんはまた、ママが見ていないすきに携帯を隠しました。「あなたのせいで、ママがこっちを見てくれないの。お願いだから、もうママに見つからないでね。」あおいちゃんはいつも通り、携帯にそうお願いをしていました。
「ガタ…」後ろから物音がしたので慌てて振り返ってみると、そこにはママが立っていました。でも、いつものママとなんだか違う。ママは怒った顔ではなく申し訳なさそうな顔をしていました。ママはあおいちゃんの携帯へのお願いを聞いて、あおいちゃんの気持ちを初めて知ったのでした。
「あおいちゃん、ごめんね。」てっきり怒られると思っていたあおいちゃんはキョトンとしました。そんなあおいちゃんの頭をなでながらママは続けます。「ママ、いつも携帯電話見てたよね。それが嫌で、あおいは携帯を隠してたんだね?」そう言われて、やっと自分の気持をわかってもらえたあおいちゃんは嬉しくて、涙をポタポタ流しました。
「いつもスーパーで携帯を見ていたのは、買うものが書いてあったからなの。家に帰ってから携帯を見ていたのは、幼稚園の先生に言われたことや、あおいの様子をパパに送っていたからなのよ。決してゲームしたり遊んでいたわけじゃないの。
だけど、あおいの様子を伝えることよりも、ちゃんとあおいの目を見てお話することが1番大切だって、ママは気がついたの。不安な思いをさせて本当にごめんね。」ママは泣きそうになりながらあおいちゃんに謝りました。
あおいちゃんは、ママが自分を大切に思ってくれているのがわかり、嬉しくて「ママ!!」とぎゅーっと抱きつくと、「大好きよ」と言いながらママもぎゅーっとあおいちゃんを抱きしめました。
それからママは、「材料が書いてあるから、ちょっと携帯で確認するね」「あおいの写真、今からパパに送るね」とあおいちゃんに伝えてから携帯を見るようになりました。
あおいちゃんはママがちゃんと教えてくれるので、不安な気持ちがなくなって、携帯を隠すいたずらをしなくなりました。
おしまい