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一人でテレビゲームばかりしていたので、友達の作り方を忘れてしまったひろと君のお話です。
ひろと君は、優しく話しかけてくれる隣の席のレン君と友達になりたいと思います。けれど、どうすればいいのか分からず、お母さんに相談をしました。お母さんの提案で誕生日パーティーを開くと、ひろと君にはたくさんの友達ができました。
悩んだときには周りの人に相談することで、新しい発見や勇気が湧いてくるのです。
ひろと君は、テレビゲームが大好きな男の子。 「テレビゲームがしたい!」と、最近は外で遊ばないで、部屋の中ばかりにいます。どんどんゲームにのめり込んだひろと君は、そのうちに、お腹が痛いとか頭が痛いとウソをついて学校を休み、家ではいつもゲームをして過ごすようになりました。
ある日学校へ行くと、隣の席のレン君が話しかけてきました。レン君はひろと君が学校にくると、席が隣だからかよく話しかけてくれます。 あまり周りの子と話さなくなっていたひろと君は、そんなレン君と友達になりたいと思うようになりました。
しかし、(友達ってどうやってつくるんだっけ?友達になって下さいってお願いするするのも変だし、断られたらどうしよう…)ひろと君は、1人でゲームばかりしていたので友達の作り方を忘れてしまったのです。
そこでひろと君は、お母さんに相談してみました。すると「今度ひろとの誕生日にパーティーをしましょう。そこへレン君を招待したらどうかしら?お母さん、張り切ってケーキ作るわ」と、言ってくれたので、パーティーを開くことにしました。
次の日、手作りの招待カードを作ってレン君に渡すと、レン君はとても喜んでくれました。「他のお友達も誘っていい?」「もちろん!」ひろと君は 初めてお友達と一緒の誕生日パーティーをするので、お母さんと家の飾り付けをしたり、ご馳走づくりの手伝いをしたり、ワクワクそわそわ、準備に張り切っていました。
お誕生日パーティーの日、クラスのお友達が何人か集まってくれました。ひろと君は自分の事を知ってもらうために、大好きなテレビゲームのことをいろいろと話ました。するとみんなは「ひろと君すごいね!」「僕そのゲーム難しくてまだクリアできてないよ!」と驚いた様子でした。
次の日から、ひろと君はゲームが得意だと噂が広がり、クラスで話したことのなかった子とも、友達の輪が広がりました。最初はゲームの話や一緒に家でゲームばかりしていましたが、そのうちだんだんとゲームをする時間は減り、みんな外で遊ぶ方が楽しくなっていきました。
ある日の夕飯のとき、ひろと君は言いました。「嘘をついて学校を休んでいた時、本当は苦しかったんだ。でも誕生日パーティーをしてから、友達が増えてよかった。お母さんありがとう。」 すると、側で聞いていたお父さんが
「ひろとがテレビゲームにはまってしまった時、お父さんとお母さんも悩んでいたんだ。ゲームを買ってあげた事を後悔したよ。でも、お母さんに相談してくれて、いいきっかけが出来たね。乗り越えられたのは自分の力だよ。」お父さんとお母さんはひろと君を見ながら微笑みました。
ひろと君は、一人で悩むよりは周りの人に相談すると、新しい事に気付いたり何かをする勇気が湧いてくることを学びました。それからはクラスで馴染んでいない子がいると、すぐに気付き、声をかけてあげる優しい少年になりました。
そしてレン君や他の友達と一緒に、どんどん友達の輪を広げていきました。
おしまい