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お肉として出荷される豚と女の子のお話です。
メイちゃんは、豚の赤ちゃんをブーちゃんと名付けてとても可愛がっていました。しかし、ブーちゃんがお肉になるときが近づいて悲しみます。両親からお肉になる豚の役目を聞いたメイちゃんは、ブーちゃんの幸せを考えて自分で食べることにしました。感謝をこめて残さず精一杯食べてあげました。
生き物を食べるという実感、命についてとても考えされられるお話です。
メイちゃんのお家には豚がたくさんいます。お店で売っている、お肉になる豚を育てているからです。パパもママも朝から夜遅くまで豚のお世話をしていました。
メイちゃんも幼稚園がお休みの日は、ごはんをあげたりウンチのお掃除をしたり、お手伝いをします。
ある日子豚が10匹産まれました。その中でも1番小さい可愛い子豚に、メイちゃんはメロメロです。メイちゃんのお家の豚は、みんな番号で呼んでいましたが、パパとママに内緒でこっそりその子豚に名前をつけました。
名前は「ブーちゃん」メイちゃんはブーちゃんに毎日会いにいきました。
朝は少し早起きして、ブーちゃんに行ってきますのご挨拶をします。
幼稚園が終わると、おやつも食べすにブーちゃんに会いにいき、今日楽しかったことを夜になるまでお話します。たまに絵本もよんであげました。パパとママはそんなメイちゃんを心配そうに見ています。
しばらくそんな日が続きました。ブーちゃんのちっちゃかった身体はぐんぐん大きくなり、メイちゃんが抱っこできないくらい重たく大きくなりました。それでもブーちゃんが可愛くて、メイちゃんはブーちゃんに会いにいきます。
ある日、ブーちゃんと一緒の小屋にいた豚が何匹か居なくなりました。メイちゃんが探していると、パパとママの声が聞こえます。「思ったより高く売れたわね。」「丸々大きく育ったからね」メイちゃんは気が付きました。「ブーちゃんが売られてお肉になっちゃう…。」
メイちゃんはブーちゃんを小屋の隅に隠しました。ブーちゃんの周りに箱やらお掃除道具を置いて、隠しました。でもすぐにパパとママにバレてしまいます。
ついに小屋にはブーちゃんだけになってしまいました。 「ブーちゃんをお肉にしないでー!!」メイちゃんは毎日泣いています。 パパとママは困ってしまいました。
幼稚園から帰ってきたメイちゃんに、パパとママはお話をしました。ブーちゃんはお肉になるために産まれてきたこと。お肉になる豚がいるから、メイちゃんも美味しいお肉を食べて大きくなれること。お肉は、栄養満点で、身体にとっても大切な食べ物だということ。メイちゃんは泣きながら聞いています。
パパとママのお話が終わると、ブーちゃんのことをたくさん考えました。
このままお家にいられないのなら、どうすればいいのか。メイちゃんは思いつきました。
「ブーちゃんは私が食べる。」メイちゃんがそう言うと、パパとママはビックリしてお互いの顔を見ています。メイちゃんはおかまいなしに話します。
「ブーちゃんがお肉になってお店に売ってても、買ってもらえなくて捨てられちゃうかもしれない。そしたら可哀相でしょ。」「買ってもらっても、お腹いっぱいーって残されて捨てられちゃうかもしれないでしょ。それも可哀相。」「お肉きらいーって、全然食べてもらえないかもしれないじゃない。そしたらほんとに可哀相だよ。」メイちゃんは涙をいっぱい浮かべながら話しました。
「だから、私が全部、一つも残さずブーちゃんを食べるの」メイちゃんは大泣きしながらいいました。それからブーちゃんにお別れをいいました。「ブーちゃん大好きよ。私がブーちゃんを絶対残さないで美味しくたくさん食べるからね。」言い終えるとパパとママに泣きながら抱きつきました。
パパとママはその日の夜、メイちゃんが寝てから、ブーちゃんをお肉にしました。お肉にする仕事の人たちみんながメイちゃんとブーちゃんの為に手伝ってくれました。ソーセージも作りました。食べられるところはすべて、食べられるようにしました。
次の日の朝、メイちゃんの朝ごはんのお皿には豚のお肉がありました。スープにはソーセージが入っています。メイちゃんは泣きながら、「ブーちゃんありがとう。ブーちゃん、いただきます。」と全部残さずに食べました。
おしまい