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これは、カタツムリが自分の生態をわかり易く解説している物語です。
子供はもちろん、大人も迷うようなカタツムリとナメクジとの違い、カタツムリの殻の秘密、そして生態を、カタツムリの気持ちを交えて話しています。 子供の無邪気さは時に残酷で、命のあるものをまるでおもちゃのように扱うことがあります。
このような形で生態を正しく知ることで、生き物への敬意が生まれるのではないでしょうか。
ボクはカタツムリ。身体はとってもヌルヌルヌメヌメしている。そんなボクはナメクジ君とよく似ている。
ボクはよく、「カタツムリの殻を取ったらナメクジになるんでしょ?」とか言われるけど。ナメクジ君にはどうやってもなれない。
どうしてかって言うと、殻を取ったらボクは死んじゃうんだ。だからみんなお願いだ。「ナメクジになるかな〜?」って、無理やりボクの殻を剥がさないでほしい。
ボクの殻は、ヤドカリさんのように背負っているんじゃなくて、身体にくっついている。殻はボクの身体の一部なんだ。 君も足を無理やり引っ張ってちぎられたら嫌だよね?
ボクの殻にはちゃんと血が通っている。だから、ちょっと殻に傷が付いても、何日かしたら綺麗さっぱり治ってる。君の膝にある、擦り傷と一緒さ。
ボクはナメクジ君とよく似ている。だけどナメクジ君にたくさんご飯をあげてもナメクジ君には殻は生えてこない。ボクとナメクジ君は全然違うんだ。
ボクはジメジメした季節が大好き。ジメジメ身体が湿っているとどこでも動き回れる。だけど実は雨に濡れるのは大嫌いなんだ。濡れるとついつい動きが止まっちゃう。
ボクは夜が大好きなんだ。昼間にボクがいる時は、たくさん雨が降ったあととか、とってもジメジメしている時だけ。いつもは夜に動いてる。
それとね、ボクにはオスもメスもない。みんな同じなんだ。だから、たまーにだけど、卵も1人で作って産めちゃう。すごいでしょ?
ボクの冬。冬は寒くて寒くて、とてもじゃないけど外にいられない。落ち葉の下とか土の中に潜り込んで、殻の中に閉じこもる。からの中はポカポカなんだ。そして春になるのをひたすたじーっと待つんだ。
ボクがみんなに会える時は短い間だけど、ボクのことをたくさん知ってくれると嬉しいな。
ジメジメ雨の季節、君に会えるのを楽しみにしているよ。
おしまい