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おじいさんが、少しおっちょこちょいの隣のおじいさんからカブのタネと間違って、いろいろなタネをもらうお話です。
タネはきれいな花が咲いたり、大きな大根だったりします。 けれど、そのたびにおじいさんは喜び、隣のおじいさんにもおすそ分けするのです。
このお話は、もし間違ってしまっても悪い結果だけではないと教えてくれます。
おじいさんが隣のおじいさんから、おいしいカブのタネをもらったので、畑にまきました。 「大きくて甘い立派なカブになるんじゃよ」 おじいさんは大事に大事に育てました。
しばらくすると、おじいさんの畑に綺麗なお花が咲きました。 「なんて綺麗なお花じゃろう。」おじいさんはお花を摘んで、お礼に隣のおじいさんの家に持っていきました。
隣のおじいさんは「カブのタネとお花のタネを間違えてしまった。こっちがカブのタネじゃった。すまんすまん。」と今度こそカブのタネをくれました。
新しくカブのタネをもらったおじいさんは「今度こそ、大きくて甘い立派なカブになるんじゃよ」と大事に大事に育てました。
タネはしばらくすると、立派に大きく育ちました。 「これは立派なカブになったぞ。そろそろ食べ頃じゃな」おじいさんは地面から生えている立派な葉っぱを引っ張りました。 「うんとこしょ、どっこいしょ」しかし立派に育ちすぎたせいでびくともしません。
「こりゃ、わし一人じゃ無理だわ」 おじいさんはお婆さんと孫を呼んできました。
「うんとこしょ、どっこいしょ」 まだまだ抜けないので、孫が犬と猫を呼んできます。
「うんとこしょ、どっこいしょ」 ズル…ズルズルズル… おやおや。ズルズルズルだなんて、カブにしてはなんだか長いような…。
ズルズルズルズル…スポンッ!! 一体何が抜けたのでしょう。 カブを引っ張っていると思っていた、おじいさんもおばあさんも、孫も犬も猫もビックリして目がまんまるです。
そう、おじいさんがカブだと思ってまいたタネは、なんと大根のタネだったのです。 しかもとびっきり大きくて、とびっきり長い。
やっとの思いで抜いたのが、楽しみにしていたカブではなく、大きくて長い大根でしたが、みんなは大喜びです! おばあさんは美味しい大根の煮物やスープをたくさんつくってくれました。
それから、おじいさんはお礼にと、隣のおじいさんへ大根料理を持って行きました。 すると「うんとこしょどっこいしょ!」元気な掛け声が、お隣の大根畑から聞こえます。
おじいさんが様子を見に行くと、立派な大きなカブが抜けたところでした。 「カブと大根、タネが似てるから間違えちゃったわい」隣のおじいさんは恥ずかしそうに笑いました。 それから、みんな一緒に大根料理とカブ料理を美味しく食べました。
おしまい