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昔話「桃太郎」のさるのお話です。
さるは食いしん坊で、実はきびだんごにつられて鬼退治に付いていきました。はじめのうち、さるは鬼を退治する自信がありませんでした。けれど桃太郎に立派な爪を褒められたことで自信を持ちます。さらに桃太郎が鬼に心を改めるよう諭したことで、さるは桃太郎を尊敬するようになりました。
大切なのはきっかけではありません。自信と素敵な仲間がいれば大きな目標も達成できるのです。
むかしむかしあるところに食いしん坊のさるが住んでいました。 さるはよく山を降りては畑などで食べ物を探していました。
「あ〜お腹すいたな〜…なんか美味しい食べ物ころがってないかな〜」 そう思いながら歩いていると、どこからかいい匂いがしてきます。「この匂いは…おれの大好きなきびだんごじゃないか!」
匂いがする方へ行ってみると、そこには人間と犬が歩いていました。 さるは、大好きなきびだんごがどうしても食べたかったので 「その腰についているきびだんご、一つもらってもいい?」 と人間と犬に話しかけました。
すると、「一緒に鬼退治についてきてくれるなら、きびだんごをあげるよ!」と人間が言います。さるは、鬼退治がどういうことかよくわかりませんでしたが、きびだんごが欲しかったので「いいよ!」と返事をしました。
さるはきびだんごを食べながら、人間の名前は桃太郎ということ、桃太郎が桃から産まれたこと、どうして鬼退治に行くのかを聞きました。 喧嘩が好きではなかったさるは、「鬼退治なんて…行きたくないな…」と少し不安になりました。
さるはトボトボ桃太郎達に付いていきました。 すると、こんどはキジに出会いました。
キジは桃太郎から鬼退治の話を聞くと、「オレが退治してやる!!」とやる気満々です。 さるがトボトボと歩いている横で、犬とキジはどうやって鬼を倒すか楽しそうに話しています。 「ボクとは違うなー…キジも犬もすごいや…」とさるは関心していました。 さるは不安な気持ちのまま、みんなと一緒に船に乗り込みました。
船に乗ると、あっという間に鬼ヶ島が見えてきてしまいました。 「どうしよう…喧嘩なんてしたことがないのに…」 さるが怯えていると、 「さるくん、君には立派な爪がある!コレで引っかかれたら、鬼はたまったもんじゃないな!鬼退治が終わったら、またきびだんごを一緒に食べよう!!」 と桃太郎に励まされました。
「そうか…ボクには爪がある!!鬼を倒せば困っている人を助けられる!それに…ご褒美にまたきびだんごが食べられるぞ!!」 あの美味しいきびだんごが食べられると思うと100人力の力がみなぎってきました。
ついに鬼ヶ島に着きました。 「みんなかかれー!!!」桃太郎の合図が聞こえます。 「怖い…どうしよう…でも…やるしかない!!…ボクには立派な爪があるんだ!!!」 さるもみんなに続いて鬼に飛びかかりました。
「ぎゃ〜っ!!!」鬼の悲鳴が聞こえます。 自信のついたさるは次から次へ鬼をひっかきます。 犬はどんどん鬼に噛みつき、キジは鬼をつつき回しました。
みんなの活躍によって、ついに鬼の親分だけになりました。 すると桃太郎が 「村から奪ったもの全てを返してもらおう!二度と村へ悪さをしないなら、命は助けてやる。」というではありませんか!! てっきり退治すると思っていたさるは驚きました。周りを見渡してみると、キジも犬も驚いているようです。
「もうしません〜。ごめんなさい〜。。。」降参した鬼に、村から奪ったものを全て返してもらいました。 すると桃太郎は本当に鬼を退治しないで船に乗り込んだので、さるは桃太郎にどうして退治しないのか聞きました。 すると桃太郎は「鬼だって同じ生き物だ。命に奪って良いものもダメなものもないんだよ。」と笑いながらご褒美のきびだんごをくれました。
「なんてすごい人だ!!」さるは桃太郎の優しさにとても暖かい気持ちになりました。犬もキジも同じ顔をしています。さるは美味しいきびだんごを頬張りながら、桃太郎とずっと一緒にいることを心に誓いました。
おしまい