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【絵本読み聞かせ】もし「カチカチやま」でおばあさんがころされなかったら/童話・日本昔話・紙芝居・絵本の読み聞かせ朗読動画シリーズ【おはなしランド】

2018-12-11

あらすじ…

昔話「カチカチ山」でおばあさんが殺されなかったらという視点から作られた物語です。

タヌキは反省しているふりをしておばあさんに天井から降ろしてもらい、おばあさんに襲い掛かります。
しかし、おばあさんはタヌキが反省していないことを見抜いており、タヌキを返り討ちにします。
おばあさんは秘伝のまんじゅうの作り方を教わることでタヌキを許し、タヌキは心から反省しました。
おばあさんは教わったまんじゅうをウサギに振る舞い、ウサギとタヌキは仲良くなりしました。

 

もし「カチカチやま」でおばあさんがころされなかったら

 

むかしむかし、おじいさんの家の裏山に、一匹のタヌキが住んでいました。
タヌキは悪いタヌキで、おじいさんが畑で働いていますと、
「やーい、ヨボヨボじじい。ヨボヨボじじい」
と、悪口を言って、夜になるとおじいさんの畑からイモを盗んでいくのです。

おじいさんはタヌキのいたずらにがまん出来なくなり、畑にワナをしかけてタヌキを捕まえました。

そしてタヌキを家の天井につるすと、
「ばあさんや、こいつは性悪ダヌキだから、決してなわをほどいてはいけないよ」
と、言って、 そのまま畑仕事に出かけたのです。

おじいさんがいなくなると、タヌキは人の良いおばあさんに言いました。
「おばあさん、わたしは反省しています。もう悪い事はしません。
つぐないに、おばあさんの肩をもんであげましょう」

「そんな事を言って、逃げるつもりなんだろう?」
「いえいえ。では、タヌキ秘伝(ひでん)のまんじゅうを作ってあげましょう」
「秘伝のまんじゅう?」
「はい。とってもおいしいですし、一口食べれば十年は長生き出来るのです。
きっと、おじいさんが喜びますよ。もちろん作りおわったら、また天井につるしてもかまいません」

「そうかい。おじいさんが長生き出来るのかい」
おばあさんはタヌキに言われるまま、しばっていたなわをほどいてしまいました。

そのとたん、タヌキはおばあさんにおそいかかって、そばにあった棒でおばあさんを殴り殺そうとしたのです。「ははーん、バカなババアめ。タヌキを信じるなんて」
しかし、おばあさんは最初からこうなることを予想して戦う準備を整えていました。

おばあさんも棒を拾い、しっかりと構えてこう言います。
「さあ、かかっておいで。」
タヌキはおばあさんにとびかかりますが、おばあさんはなかなか手ごわいです。

しばらく打ち合いになりましたが、タヌキは
「このおばあさんには、かなわない。」
と気づき、「ひえ~、ごめんなさい!わたしが悪かったです!もう悪口も言わないし、イモも盗みません!いい子になります~!」と、謝りました。

タヌキの顔を見て本当に反省していると気づいたおばあさんは
「許してあげるが、その代わりに秘伝のまんじゅうの作り方を教えておくれ。」
と言いました。タヌキはこんな自分を許してくれたおばあさんに心から感謝し、自分の作れる精一杯のおまんじゅうの作り方をおばあさんに教えました。

出来上がったおまんじゅうをパクリと食べたおばあさんはあまりのおいしさに感動しました。
「こんなにおいしいならみんなにたべさせてあげないとね。」
おばあさんとタヌキはすっかり仲直りしていました。

翌日、おばあさんは自分のことをいつも心配してくれる心優しいウサギを招いておまんじゅうを振る舞いました。「こんなにおいしいおまんじゅうを食べたのははじめてだ!」

タヌキに作り方を教わったと聞いたウサギは
「ぜひあのタヌキにお礼が言いたい」と思い、タヌキをしばかりに誘いました。
「タヌキくん。山へしばかりに行かないかい?」

「それはいいな。よし、行こう」
二人で楽しくしばかりをした帰り道、仲良くなった二人は『カチカチ』と石を鳴らしながら陽気に歌って山を下りてきましたとさ。

 

おしまい

 

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