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「七匹の子ヤギ」のお母さんも家に入れなかったらという視点から語られたお話です。
七匹の子ヤギに留守番を頼んでお母さんヤギがでかけている間、オオカミが子ヤギたちを食べようといろいろ試みますが、子ヤギたちは決して家を開けませんでした。
本当のお母さんヤギが帰ってきても子やぎ達は約束を守って家を開けません。このお話は子ヤギたちの決断力や用心深さ、約束を守る大切さを学ぶことがができます。
むかしむかし、あるところに、優しいお母さんヤギと、七匹の子ヤギたちが住んでいました。
ある日の事、お母さんヤギが言いました。
「お前たち。お母さんは用事で出かけてくるから、ちゃんと留守番をしているのですよ。
それから最近は悪いオオカミが出るというから、用心するのですよ」
「お母さん、オオカミって、怖いの?」
「そうですよ。何しろオオカミは、ヤギを食べてしまうのだから」
「あーん、怖いよー」「大丈夫。家の中にいれば安全ですよ。ただオオカミは悪賢いから、お母さんのふりをしてやって来るかもしれないわ。オオカミはガラガラ声で黒い足をしているから、そんなのがお母さんのふりをしてやって来ても、決して家の中に入れてはいけませんよ」
「はーい、わかりました。では、いってらっしゃい」
子ヤギたちはお母さんヤギを見送ると、玄関のドアにカギをかけました。
さてしばらくするとオオカミがやって来て、玄関の戸を叩いて言いました。
「坊やたち、開けておくれ、お母さんだよ」すると、子ヤギたちが言いました。
「うそだい! お母さんは、そんなガラガラ声じゃないよ」
「そうだ、そうだ。お前はオオカミだろう!」(ちっ、声でばれたか)
そこでオオカミは薬屋に行くと、声がきれいになるというチョークを食べて、またやって来ました。「坊やたち、開けておくれ、お母さんだよ」
「あっ、お母さんの声だ」
子ヤギたちは玄関にかけよりましたが、ドアのすき間から見えている足がまっ黒です。
「お母さんは、そんな黒い足じゃないよ」「そうだ、そうだ。お前はオオカミだろう!」
(ちっ、足の色でばれたか)
そこでオオカミはパン屋に行くと、店の主人を脅かして、小麦粉(こむぎこ)で足を白くさせました。「坊やたち、開けておくれ、お母さんだよ」
声もお母さんで、ドアのすき間から見える足もまっ白です。
「わーい、お母さん、お帰りなさい」一匹のこやぎが言います。
「足を白くした狼だよ。開けちゃダメ!」(ちっ、これは無理だな)諦めて狼は帰ってしまいます。
そこで今度はお母さんが帰ってきます。
「坊やたち、開けておくれ、お母さんだよ」
声もお母さんで、ドアのすき間から見える足も真っ白です。
「狼でしょ!ぼくたちはだまされないよ!」
そう言っていっこうにドアをあけようとしません。
「お母さんだよ、開けておくれ」
お母さんはお家に入れません。
「お母さんだよ、信じておくれ」そういって一匹ずつ、名前を呼んでいきます。
「お帰りなさい!お母さん!」
と一匹の子やぎがドアを開けようとしたところを
「ダメ、狼だよ!」とみんなが止めてしまいます。
みんな信じてくれず悲しくなったお母さんは無理矢理ドアをあけてしまいます。
「ただいま、お母さんだよ!」
恐る恐る近づくとお母さんの匂いがする。
「おかえりなさい!お母さん!」口を揃えて7匹の子ヤギが言います。
こうして7匹の子ヤギは狼から食べられることはありませんでした。
このあとみんなで新しいドアを作るのでした。
めでたし、めでたし