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「おむすびころりん」のおむすびがおいしくなかったらという形で語られたお話です。
おじいさんはおにぎりを穴の中に落としてしまい、その穴からまずいと文句を言う声を聞きます。おじいさんは家に帰りますが、追ってきた三匹のネズミから美味しいおにぎりの作り方を教えさせてほしいと言われます。おじいさんとおばあさんは修行し、おにぎり屋をオープンします。おにぎり屋は評判になり、貧乏だった二人はお金持ちになりました。
ぜひみなさんもこのお話を読んで、美味しいおにぎりを握ってみてくださいね!
昔々、木こりのおじいさんがいました。
おじいさんはお昼になったのでおばあさんが作ってくれたおにぎりを食べようと、竹の皮の包を開けたその時、コロリンとおむすびが一つ地面に落ちて、コロコロと、そばの穴ヘころがりこんでしまいました。
「おやおやもったいないことをした」と穴の中を覗くと、穴から何か聞こえるので耳を澄ませて聞いてみると…
「なんて不味いおにぎりだ!」「こんな固くてしょっぱいおにぎりは初めてだ!」「誰が一体こんなものを穴に入れたんだ!」「美味しいおにぎりとは何かを教えなければ!」と、口々に文句を言う声が聞こえてきました。
怖くなったおじいさんは、急いでその場を逃げましたが、何かが後から追いかけてきます。必死に家まで逃げ、おばあさんに今あったことを話しました。
すると扉の向こうから「おにぎりを落としたのはお前か!?」と言う声がします。
恐る恐る扉を開けてみると、そこには三匹のネズミが立っていました。
おじいさんはおにぎりを落としてしまったことを謝り、おばあさんはおにぎりが不味かったことを謝りました。
するとネズミは「こんな不味いおにぎりは初めて食べました。どうか僕達に、美味しいおにぎりの作り方を教えさせてください。」
と言いました。
てっきり怒られると思った二人はビックリして、思わず「お願いします!」と返事をしてしまいました。
そしてその日から、おじいさんとおばあさんの特訓の日々が始まりました。
「美味しいおにぎりを作るには、まず炊きたての御飯を用意して下さい。」
「はい!」「あとは、塩と氷水と清潔なふきんを一枚。」「はい!用意しました!」
「それでは作っていきましょう。」
「まずはじめに、氷水で冷やした手に、茶碗に軽く1杯のごはんに対して指3本でつまむくらいの塩を広げ、そこにまだ熱いごはんをのせて握っていきます。」
「氷水でしっかり冷やせば、熱いご飯をのせて握っても基本的には大丈夫だと思います。でも熱くて我慢できないときは無理をせずに、まな板や食器に移し、少しだけ粗熱を取ってから握ってみてください。」
おじいさんとおばあさんは見よう見まねでやってみます。
「握りはじめは、あまり形を気にせずにご飯同士がくっつくようにやさしくまとめ、ご飯がまとまれば、右手を山にしておにぎりの角を作り、転がしながら数回握ります。この時力を入れすぎないようにして下さい。」
ネズミ達は手際よく動きながら解説します。おじいさんとおばあさんは感心しながらも必死に真似をします。
「おにぎりがふんわりと握れたら、手の上でおにぎりを横において上下からやさしく手を押し当てて形を整え、最後にもう一度おにぎりを軽く握って、完成です。」
あっという間に美味しそうなおにぎりが出来上がりました。
一口食べてみると、ご飯はふんわりと軽く、塩加減は絶妙。ほっぺが落ちてしまいそうに美味しいではありませんか!
いろいろな人に食べてもらいたいと思ったおじいさんとおばあさんは、しばらくネズミ達に修行してもらい、おにぎり屋をオープンさせました。
ネズミ直伝のおにぎりはとても美味しかったので、あっという間に評判になり、村中の人が買いに来るようになりました。
そして、貧乏だったおじいさんとおばあさんはお金持ちになりました。
おしまい