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みーちゃんはお祭りでカメを買ってもらい、チビちゃんと名前をつけ可愛がりました。
みーちゃんはいつも世話をしていましたが、だんだんチビちゃんは元気がなくなってしまいます。ある日、水槽を洗っている間にチビちゃんがいなくなり、みーちゃんは毎日必死に探し、ついにボロボロになったチビちゃんと再会します。しかし、チビちゃんはそこで力尽きてしまいました。
絆は最後まで繋がっているということがわかる、ペットと飼い主の心温まるお話です。
みーちゃんは、パパとママにおねだりしてお祭りでカメを買ってもらいました。
ゆっくり歩いている姿はとても可愛く「この子の名前は…チビちゃんにする!」そう言って、みーちゃんは幼稚園から帰るといつもせっせとお世話をしていました。
「チビちゃん、きょうはとってもいい天気だよ♪」みーちゃんはお話しながらエサをあげたり水槽を洗ったりと、とっても大切に育てました。
それから何年かたち、みーちゃんは少しお姉さんになりました。
みーちゃんは、相変わらず毎日チビちゃんのお世話をしています。そんな中、気になっていることがありました。どうも最近チビちゃんの元気がなく、エサも残すし、動きもさらにゆっくりになっていたのです。「チビちゃんどうしたんだろう…」
みーちゃんはお母さんに相談してみました。すると「きっとそろそろ寿命なのかな?カメは万年と言うけど今年が万年目なのかも」と言われてしまい、みーちゃんはとても不安になりました。
お別れを考えると悲しくなるので、そのことは忘れて、いつも通りに「チビちゃん、今日も良い天気だよ♪」とお世話をして過ごしました。
そんなある日、みーちゃんが水槽を洗っている間に、チビちゃんがどこかへ居なくなってしまいました。
「少しの時間だし、チビちゃんは歩くのがとってもゆっくりだし、そんなに遠くには行けないよね!」と、みーちゃんは家の隅々まで探しましたが、チビちゃんはどこにも見当たりませんでした。
困ったみーちゃんは、お母さんに相談しました。すると、「自分の寿命がそろそろだと思って、死に場所を探しにいったのかも知れないね」とお母さんは寂しそうな顔で言いました。
みーちゃんはそれでも諦めきれず、家の外まで探しに行きました。
でもやっぱりいくら探しても、チビちゃんは見つかりません。
その日からみーちゃんは、学校の帰り道、毎日毎日、目を凝らしてカメを探して歩きました。
数日過ぎたある日、みーちゃんはなぜだか急に、チビちゃんが家から少し離れた所にある大きな川辺にいるような気がして、急いで行ってみることにしました。
川辺についたみーちゃんは草をかき分け夢中でカメを探しました。でも、探しても探しても、やっぱりカメはどこにも見つかりません。
いつの間にか日がくれ、心配して迎えにきたお母さんの声が遠くで聞こえました。みーちゃんが振り返ると、そこにはボロボロの状態のカメがいました。カメは甲羅にヒビが入り、薄汚れていましたが間違いなく、みーちゃんの大切なチビちゃんでした。
みーちゃんに気が付いて出てきてくれたのか、チビちゃんはゆっくりゆっくりと、みーちゃんのいる方へ歩いてきました。
みーちゃんはビックリしたのとチビちゃんに会えた嬉しさで、そこから動けませんでした。
ゆっくりとゆっくりと、チビちゃんは、みーちゃんの足元にたどり付きました。「やっと会えた…」みーちゃんはたまらずチビちゃんを抱き上げましたが、最後の力を振り絞ったせいか、チビちゃんはすぐに力尽きてしまいました。
「チビちゃんはウチに来て幸せだったのかな」というと、お母さんは「天国に行く前に、どうしてもみーちゃんに会いたくなって、戻ってきたんだろうね。」と、みーちゃんの頭をなでました。
みーちゃんは大きな声で泣きました。「最後に私に会いに出てきてくれてありがとう。私は幸せだったよ。」と、みーちゃんはチビちゃんを優しく抱きかかえたまま家に帰りました。
おしまい