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何をするにも、「いやだ」とばかり言うココちゃんのお話です。
ココちゃんは夢の中で、もう一人の自分に出会います。もう一人の自分に「いやだ」とばかり言われて、困ってしまいます。そして、言われた相手は悲しい気分になるのだと分かりました。目を覚ましたココちゃんは「いやだ」ではなく、自分の気持ちをきちんと伝えるようになります。
このお話から、相手の立場に立って話すことの大切さが学べるでしょう。
ここちゃんは3歳の女の子です。
ここちゃんは毎日なにをするにも「いやだ」ばかり。
「おはようココちゃん、起きましょうね」「いやだいやだ〜!もっと寝る〜」
朝ごはんの時間「これいやだ〜。これもいやだ〜」好き嫌いばかりです。
お着替えの時間も「これいや〜!ちがう服がいいの〜!」「いやだ〜!靴下はかないの〜!」といやだいやだばかりです。
ある朝、(なんだか今日は楽しい気分!!)ココちゃんはごきげんに、朝ごはんをつくっているママのところへ行きました。
「あら、ココちゃん今日は早いのね」ママが笑顔でむかえます。
ココちゃんも飛び切りの笑顔で挨拶します。大きな声で元気よく…「いやだ!!」…。あれ…?ママの目がまん丸くなります。ココちゃんの目もまん丸くなります。(あれ〜…わたし、おはようってママに言いたかったのになぁ…)
「ココちゃんご機嫌じゃなかったのね…?」ママはなんだか悲しそう。でもココちゃんのお返事はやっぱり「いやだ」。
「朝ごはんの前にお着替えしようね」ココちゃんはちゃんとお着替えをしようと思っているのに、声を出してみると「いやだ」。
なんとココちゃん、毎日「いやだ」ばかり言っていたので「いやだ」しか言えなくなってしまいました。
おトイレに行きたくても「おトイレいやだ」おもらししてしまいました。お外に遊びに行きたくても「お外いやだ」遊びに行けません。ココちゃんはついに泣きだしてしまいました。でも「どうしたの?」とママが心配してくれてもやっぱり「いやだ」。ココちゃんは泣きつかれて眠ってしまいました。
ココちゃんはぐっすり夢の中。
ふわふわお空をお散歩していました。雲の上で一休みしようとすると、その雲の上にはココちゃんにそっくりな女の子がいました。でもその女の子はなんだか怒り顔。
「あなたはだーれ?」ココちゃんが聞くと、「私、ココちゃん」もう一人のココちゃんは口を尖らせながら言います。 「どうしておこっているの?」「いやだから」「何がいやなの?」「わからないけど、嫌って言いたいの」なにを聞いても「いやだ」と答えるもう一人のココちゃんに、ココちゃんは困ってしまいました。
すると、怒っているココちゃんが言いました。「あなたも一緒でしょ。ココちゃんはいつもいやだばっかり。」
ココちゃんは「いやだ」しか言えなくなってしまったことを思い出しました。
ココちゃんはもうひとりのココちゃんに「いやだ」しか言えなくなってしまったことを話しました。もう一人のココちゃんはやっぱり口を尖らせながら聞いています。
話が終わると、もう一人のココちゃんが一言「いやだ」。
ココちゃんは悲しくなりました。そして、「いやだ」しか言われないとどんなに悲しいのかわかりました。
「いやだばっかり言ってごめんなさい…」そうつぶやくと、ココちゃんは目が冷めました。
目を開けると、ママの優しい顔がありました。
「おはようココちゃん。ご機嫌はいかが?」ココちゃんはそーっと声を出してみました。「ママ、大好きだよ。」よかった。「いやだ」じゃない言葉が話せるようになっていました。
ニコニコご機嫌のココちゃんに「ママも大好きよ」ママはにっこり笑って頭をなでてくれました。それからココちゃんはちょっとだけ「いやだ」を言わなくなりました。
ご飯を食べる時もお着替えするときも、深呼吸。「ココちゃんね、ウサちゃんじゃなくて、ヒヨコちゃんのお洋服がいいの」自分の気持ちを伝えるようになりました。
おしまい