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かんた君と仲良しの女の子からの手紙です。
かんた君は仲良しの女の子とよく近くの河原で遊んでいました。しかし、女の子が転校することになり、かんた君は3つの手紙をもらいます。
小学校の卒業式、中学校の卒業式と、女の子と約束した日に河原の秘密基地で手紙を読みますが、手紙にはおめでとうとだけ書かれていました。
高校の卒業式になり、最後の手紙を読むとかんた君は女の子と再会します。約束を守る大切さと二人の絆が学べる可愛らしいお話です。
かんた君は小学生の時、とても仲良しの女の子がいました。
家が近かった二人は、学校が終わるとよく、近くの河原で暗くなるまで遊びました。かんた君はその女の子のことが大好きでした。
しかし、その女の子は、お父さんの仕事の都合で、急に遠くの学校へ転校することになってしまいました。
その女の子が転校する日、かんた君はお別れを言いに行きました。
「元気でな!」かんた君が照れ隠しでそっけなく挨拶をすると、女の子は3つの手紙をかんた君に渡してくれました。
「1つ目は小学校の卒業の日に読んでね。」「2つ目は中学校の卒業の日に。」「3つ目は高校の卒業の日に忘れずに読んでね。でもそれまでは絶対見ちゃだめ。」「手紙は、いつも一緒に遊んだ、河原の秘密基地で必ず読んでね。」と女の子は言います。
「なんだよその約束ー。なんでだよー。」かんた君がいくら聞いても「約束よ!」と女の子は理由を教えてくれませんでした。
小学校の卒業式。かんた君は女の子からもらった手紙を机から取り出すと、急いで河原の秘密基地に行って読みました。
「小学校、卒業おめでとう!」一言だけかいてありました。「なんだ、これだけかー。」かんた君は少しがっかりして、手紙をまた、机の奥にしまいました。
中学校の卒業式。かんた君は女の子との約束を守り、2枚めの手紙を机の奥から取り出しました。それからまた河原に向かい、秘密基地で手紙を開きました。
「中学校、卒業おめでとう!」また一言かいてありました。「小学校の時とおなじかよー!なんかあいつらしいな!」かんた君は笑いながら、また机の奥に手紙をしまいました。
そして高校の卒業式。3つ目の手紙を机から取り出しました。前と同じように河原へ向かい、秘密基地に着くと「どうせ、高校卒業おめでとう、だろー♪」かんた君はわかってるわかってると言いながら、手紙を開きました。
でも、3つ目の手紙には、「かんた君のこと好きだった。この手紙を読んだ時、もし同じ気持ちだったら…」と、それだけ書いてありました。
「え…?」かんた君がドキドキしながら手紙を握りしめて固まっていると、突然後ろから「同じ気持ちだったらどうする?」という声がしました。
驚いたかんた君が振り向くと、そこには、スラっと背が伸び、昔よりも長くなった髪を風になびかせながら、今も大好きな女の子が立っていました。
おしまい