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【絵本読み聞かせ】もし「桃太郎(ももたろう)」のももがひろわれなかったら/童話・日本昔話・紙芝居・絵本の読み聞かせ朗読動画シリーズ【おはなしランド】

2018-11-17

あらすじ…

この物語は、鬼に拾われた桃太郎のお話です。

人間でありながら鬼の子と同様愛情深く育てられた桃太郎は、鬼ヶ島の食糧難の解消のため村へ出向き、村人と交渉します。
鬼に良い印象を持たない村人に、鬼の愛情深さや優しさを根気強く説明し、理解を得た桃太郎は、村人の力仕事に協力する約束をし、良い関係を築きます。

先入観は根強いものですが、きちんと説明することで理解を得られるのです。

 

もし「桃太郎(ももたろう)」のももがひろわれなかったら

 

むかしむかし、ある所におばあさんが住んでいました。 ある日おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきました。おばあさんは拾おうとしましたが、川辺から離れており残念ながらあきらめました。良い人に拾われますようにと、流れる桃を見送りました。

桃は下流に流れて行き、とうとう海に出ました。そして流れ着いたのは、なんと鬼ヶ島でした。

桃は大きな鬼たちに囲まれてしまいました。
そこに鬼の大将がやってきて、
「おお!桃か」と、言って両手で桃を2つに割ってしまいました。
すると桃の中から赤ちゃんが出てきました。
赤ちゃんは「オギャー」と、大きな声で泣きました。

鬼たちは驚いて、「さてどうするか?」と、話し合いが始まりました。
すると、鬼の大将の奥さんが進み出て、
「私にお貸しよ」と、赤ちゃんを抱きおっぱいを吸わせ始めました。
「よし、かあちゃんが気に入ったみたいだから、この子を育てる事にしよう。桃から生まれた桃太郎だ。」と、鬼の大将は言いました。

桃太郎は子鬼達とも仲良く遊び、元気で明るく賢い人間に育って行きました。
鬼達に比べると体は小さいけれど、すばしっこく追い駆けっこでは負けませんでした。

ある日、鬼ヶ島中の鬼たちが集まり話し合いが行われました。
天候が悪く作物が育たず、食料が不足してきたのです。
「よし!村を襲おう。」「人間から横取りすれば良い。」と、声が上がりました。
しかし、鬼の大将は「うん」とは言わず、他に良い考えがないか困っていました。
すると、桃太郎が歩み出て、「僕が村に相談しに行ってみるよ。」と、言いました。

次の日、桃太郎は子鬼と一緒に船に乗って村へと出かけました。
村へのお土産は鬼ヶ島でつくったお酒です。
そして、鬼のお母さん手作りのきび団子は腰の袋に入れました。

村に付くと、長老の所へ行きました。
桃太郎が、事情を話すと、「鬼に渡す作物は無い!」「お土産もいらないからとっとと帰れ」と、言われました。桃太郎に向かって石を投げる者もいて、額から血がにじみました。

しかし、桃太郎はあきらめませんでした。くじけそうになったら、腰のキビ団子を見つめ勇気を奮い起こしました。
鬼は人間である自分を赤ちゃんの頃から育ててくれた事や、決して暴力を振るわない事を伝えました。

すると長老は、
「野山を耕して畑にしてくれたら、作物を分ける。」と、約束してくれました。

さっそく、鬼の子供を使いにやりました。すると、鬼ヶ島から続々と鬼たちがやって来ました。鬼たちは力仕事なら任せておけと、大きな音を響かせながら働きました。
そして、あっという間に畑を作りました。村人たちは、大喜びです。

長老は、約束通り鬼に作物を渡しました。
そして、「村で力仕事が必要な時に協力をお願いしたい。」と、言いました。
鬼の大将は長老にお礼を言い、協力する事を約束しました。
桃太郎も長老にお礼を言って鬼ヶ島に帰りました。

鬼の大将は桃太郎に「ありがとう。良く頑張ったね。」と、言いました。
鬼の大将は、桃太郎の額の傷をみてとても苦労した事を分かっていたのです。
大将の目に涙がにじんだのは、この時が初めてでした。

 

おしまい

 

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