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夢を諦めないゾウの女の子のお話。
初めてバレエを見たゾウは、自分もやってみたいと思い、バレエ教室に通い始めました。でも体の大きなゾウはみんなのようにきれいに上手に踊れません。発表会のパートナーも見つからずみんなに笑われてしまうゾウは下を向いてしまいました。すると…
諦めなければ夢はかなうと教えられる物語です。
可愛いくて綺麗なものが大好きな、ゾウの女の子がいました。ある日通っている学校に、転校生の鶴がやってくると「はじめまして。私はバレエが得意です。」鶴はそう言って素敵に踊ってみせました。
踊っている鶴がとっても綺麗だったので「私にも教えて!」ゾウは鶴にお願いをしました。すると鶴は「もちろんいいわ!」学校が終わるとバレエ教室に一緒に連れて行ってくれました。
バレエ教室にはいると動物達が踊っていました。みんな手足が長くてとっても綺麗。「あんなふうに綺麗に踊ってみたい!」そう夢見たゾウは、その日からバレエ教室に通い始めました。でも身体が大きく、手も足も短いゾウは、みんなのようにうまく踊ることができません。
みんなはそんなゾウを、いつもクスクス笑って見ていました。それでもどんなに笑われようとゾウは一生懸命練習をしました。少しずつ踊れるようになってきたある日、発表会の振り付けを先生が披露しました。「素敵!」ゾウはとってもワクワクしましたが、誰かが言いました。
「大きくて重たいゾウさんを持ち上げられるパートナー、見つかるかしら?」先生が発表した振り付けは、高く上げて支えてもらうポーズがはいっていたのです。それを聞いたみんなは一斉にゾウを見ました。ゾウは下をむいてしまいました。
「まずは出来ることをやって、パートナーが見つからなかったら、そのポーズ抜きで発表しましょうよ。」みんなが帰った教室で、鶴が言いました。「うん!」ゾウがまた顔を上げて練習を始めると、窓からカブトムシ達が入ってきました。「僕たちにパートナーをやらせてよ!」
カブトムシ達はいつもバレエ教室を窓の外から見ていました。「バレエって楽しそう!」そう思っていましたが、他の虫に「男の子がバレエなんて」と笑われてしまい、なかなか「やりたい」と言えずにいたのです。
でも、どんなことがあっても頑張っているゾウに、少しずつ勇気をもらったカブトムシ達は、ついに「やりたい」と言えたのです。カブトムシ達は「力なら誰にも負けないよ!」そう言って、みんなでゾウを持ち上げてみせました。
無事にパートナーが見つかったゾウは、ますます練習に励みました。カブトムシ達もやりたいことを堂々とやれる楽しさでいっぱいです。それでもまだ笑われることもありましたが、頑張っているゾウとカブトムシ達にその声は聞こえませんでした。
そしていよいよ発表会。「ドキドキするわ」「うまく踊れるかな」ゾウとカブトムシ達は胸に手を当てて大きく深呼吸。ついに呼ばれて舞台に立つと、みんなキラキラと輝いて、夢に描いたとおりの最高の踊りを披露しました。
ゾウとカブトムシを笑っていた動物や虫達は、はじめは笑って見ていましたが、その綺麗な姿にいつの間にか笑うのも忘れて、ただじっと見とれていました。それくらい、素敵な踊りだったのです。
大きな拍手と共に踊りが終わると、みんなが集まってきました。「あの時は笑ってごめんね」「とても素敵だったわ!」「僕もやってみたい!」力を合わせて頑張ったゾウとカブトムシ達は、みんなに勇気と感動を与えたのでした。
「私ね、みんなを守る警察官になりたいの」小さなハムスターが言いました。「僕はプロレスラー!」と、ナナフシ。バレエの発表を見た街のみんなは、それからは、自分の夢を諦めずに、追いかけるようになったのでした。
おしまい