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新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。
今回、きっずちゅーぶができることとして、新型コロナウイルスの感染拡大防止の大切さを子どもたちにわかりやすく理解してもらうため、また「おうち時間」を楽しんでいただくために、この絵本を制作いたしました。
早くこの事態が収束し、いつもの平和な日々が戻りますように。
家での遊びに飽きたひなちゃんは、ごきげんななめ。「友達を家に呼んで遊びたい!」「病気にかかったり、移しちゃったりしないように今は【さんみつ】はやめましょうってみんな頑張っているのよ。」ママがなだめますが
「【さんみつ】なんてわかんないもん。」ひなちゃんはほっぺをぷーっと膨らませました。「【さんみつ】っていうのは、人が沢山いるところや誰かと近くでお話すること、空気が入れ替えにくいところのことを言うのよ。」
ひなちゃんは【さんみつ】が何かよくわかりませんでした。でも友達と遊べないことはわかったので、ご機嫌ななめのままいつの間にかぐっすり眠ってしまいました。すると、ふと友達の声が聞こえてきました。
目を開いたひなちゃんはびっくり。ひなちゃんの部屋で仲良しのお友達がみんなでお人形遊びをしています。「あれ?さっきまでが夢だったのかな?」ちょっと不思議に思いながら友達の輪に入りました。
「ひなちゃん寝ぼけてるー!」友達みんながひなちゃんを見て笑いました。すると…一人の友達の口からなにかがフワフワと飛び出してきました。びっくりしたひなちゃんは「あ!」と叫びますが、みんなには見えていないようです。
ひなちゃんは「なんだろう?」とそのフワフワを気にしながら人形遊びをしました。フワフワは友達が話すたびに口から飛んでいき、どんどんと部屋の中に増えていきました。
一度ゴホゴホと女の子が咳をしたときには、フワフワが勢いよく遠くまで飛んでいき、部屋のいろいろな場所にくっつきました。お人形にもくっついたフワフワは、今度はお人形を触ったみんなの手にくっついてしまいました。
みんながフワフワのついた手で遊んでいるのを見て、ひなちゃんはだんだん怖くなっていきました。いつの間にか部屋はフワフワだらけです。なんとかフワフワを追い出そうと、ひなちゃんは部屋の窓を開けました。すると…
窓から新鮮な空気が入ってきて、フワフワが外へどんどんでていきます。「あーよかった…」そう思った瞬間、「起きてー!」ママの声が聞こえてきました。ひなちゃんは夢を見ていたのです。「怖い夢みた」ひなちゃんはママに抱きついて夢の話しをしました。
ママはひなちゃんの頭をなでながら話しました。「【さんみつ】の話をしたから、夢に見たのかな。お友達がたくさんいたでしょ?人がたくさんいることを【密集】っていって、これが1つ目の【みつ】ね。」
「お友達と近くでお話したでしょ?近い距離で誰かとご飯を食べたり、お話したり、一緒になにかをすることを【密接】って言って、これが2つ目の【みつ】。」
「部屋の窓がしまっていたでしょ?新しい空気が入ってこないことを【密閉】と言って、これが3つ目の【みつ】。この3つのみつを合わせて【さんみつ】っていうのよ。」
「そして、フワフワしていたのが【ウイルス】。三密だとだれかの体にウイルスがいたら、沢山の人にウイルスがくっついてしまうの。」「フワフワが部屋いっぱいになって怖かった。」「だからね、今は遊びたくても出かけたくても【さんみつ】はがまんしようね。」
ひなちゃんはコクリとうなずきました。「フワフワがお口から出ないように、マスクをしたり、手についたフワフワを手洗いできれいにすることも大切ね。」ママの言葉に大きくうなずいたひなちゃんは、お友達とまた元気に会えるように、毎日家ですごしました。
おしまい