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「お兄ちゃんだから」がキライな男の子がお兄ちゃんをやめるお話し。
「お兄ちゃんやめます」男の子が言うと「じゃあ、お兄ちゃん特別サービスはおしまいです。」とママに言われしまいました。
相手ばかりずるいと思っていても、兄弟はちゃんと平等だと学べます。
ボクお兄ちゃんやめました。「お兄ちゃんだから」って言われるの、もうまっぴらなんだ。ある日突然お兄ちゃんになっちゃっただけなのに、大人はそこがわかってない。だからボク、お兄ちゃんをやめました。
「じゃぁ、明日から【お兄ちゃん特別サービス】はおしまいです。」ママに言われたけど「特別サービス?今までそんなのなかったじゃん。いっつも弟ばっかり特別サービスじゃん。だから平気」ボクはママにそう言ったんだ。
次の日、朝起きてテーブルを見ると、弟の好きなオレンジジュースが出ていた。いつもはボクがジュースを選んでたのに。「なんで?」って聞いたら「あれは【お兄ちゃん特別サービス】だったの」って言われた。
TVをつけたら、弟がみたいTVにしてねって言われた。「いつもボクが見たいもの先に見てるじゃん」口を尖らせると「あれは【お兄ちゃん特別サービス】だったの」また言われた。
買い物に出かけるとかっこいい服があった。そろそろ服が小さくなってきたし、買ってもらえるんじゃないかとワクワクしていると「新しい服を買うのは、【お兄ちゃん特別サービス】だったのよ」「えぇー!それも!?」
ボクはびっくりしたけど、確かに弟はほとんどボクの小さくなった服しか着ていない。新しい服持ってるっけ?と考えてしまうくらい。たまにお揃いの新しい服を買うけど。ボクのほうが断然、新しい服を買ってらってることに気がついた。
他にもいろいろ当たり前だったことが【お兄ちゃん特別サービス】だとがわかって、お兄ちゃんじゃなくなったボクはすんごくつまらなくなった。「そうか、お兄ちゃんってけっこう特別で、弟はけっこう我慢してるんだな」ボクは気がついた。
おやつがちょっと多かったり、なんでも最初にやらせてもらえたり、寂しくなったら弟に内緒で抱きしめてもらったり…。ボクはいつも「弟ばっかずるい」って思ってたけど弟が言う「にーちゃんずるい」って言うのも、なんとなくわかった気がした。
だからボクは、次の日からお兄ちゃんを復活することにした。「ボク、お兄ちゃんやめるのやめます。これからもっと、立派なお兄ちゃんになります!」パパもママも弟も拍手して喜んでくれた。
次の日、朝起きると「どっちにする?」ママがジュースもってこっそりボクに聞いてきた。【お兄ちゃん特別サービス】の復活だ。でもボクは立派なおにいちゃんになるために「弟に好きな方、選ばせてあげて」ってママにお願いしたんだ。
おしまい